日本ゴルフ界に「日本プロキャディー協会」が発足したことが7日、分かった。昨季の賞金女王鈴木愛らのバッグを担ぐ森本真祐氏(46)を代表理事、イ・ボミの元エースキャディー・清水重憲氏(45)を副代表理事に「プロキャディー」の社会的地位の確立、環境改善などを目指し、高齢化する業界で若いキャディーの誕生を願う。昨年暮れに船出した業界初の試みだ。

「僕らの職業は資格が必要でもない。お金をもらっているから“プロ”という自覚はあるけど“プロキャディー”と職業欄に書いておかしくないのか? そんな思いがあった」と清水氏。ともに96年にデビュー、20年以上で通算30勝以上をサポートした。“黒子”の生き方に疑問はないが、社会的地位は微妙だ。

日本のプロキャディーは完全な個人事業主で、契約形態もまちまち。現在、男女ツアーが同週で開催されると、キャディーは総勢200人以上が必要になるが、ゴルフ場のキャディーが激減した今、業界は慢性的な人手不足にある。清水氏は「高齢化がすごくて、今いる100人ほどの半分以上が40歳以上。若い子が入ってきてほしい。それがゴルフ界の発展にもつながってくれたら」と話す。

協会登録料は「年間5000円~1万円」程度を予定。登録数の青写真は、今季中に80~100人。そうなれば全体の実情も見える。5年先、より人数が増えて、みんなが「職業はプロキャディー」と胸を張れたら-。手探りの試みが始まった。【加藤裕一】

◆プロキャディー事情 プロゴルファーとの契約形態はさまざまで、基本給は主流が「週単位」。火曜~日曜で移動、宿泊、食事など経費込みの10万~15万円。「日当制」は一定の経費を除き1日1万円。他にプロの事務所と契約する給料制など。成績に応じた歩合給は予選落ちなら「0円」。かつては優勝、10位以内など順位に応じた変動制が多かったが、現在は「一律7%~10%」が主流だ。

◆一般社団法人・日本プロキャディー協会 東京都千代田区丸の内1の11の1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内8階。電話03・6860・8572。