実現するはずの「20代でメジャー出場」の夢はかなわないかもしれない。男子ゴルフの木下稜介(28=ハートランド)が、現在の心境を告白した。

1月のシンガポール・オープンで日本人最上位の6位となり、全英オープン(7月16~19日)の出場権を獲得。だが新型コロナウイルスの感染拡大で、全英オープンも中止の報道が出た。電話取材「もしもし日刊です」に、吹っ切れた様子で語った。

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木下の20代最後の誕生日は全英オープン初日-、のはずだった。全英オープンを巡っては今月に入り、米国メディアが「中止」と報道。主催の全英ゴルフ協会はすぐに、延期を含めて検討中と発表した。未定ではあるが、男子トップ選手の多くが拠点とする欧米で、新型コロナウイルスの感染者が急増する現状。当初予定通りの開催は、難しい状況となってきた。

木下 予想はしていましたけど、実際に「中止」の報道や「延期を検討」という声明が出るとショックですよね。全英オープンに照準を合わせていたので…。

-目標は「20代でメジャー出場」と言っていた

木下 そうですね。中止で来年の出場権を与えられたとしても、30歳になっているかもしれない。何よりも少しでも早くメジャーを経験したいので。飛行機も予約し、前週の国内ツアーを休み(7月10日)金曜日に日本を出発。時差ぼけ対策も兼ね、早めに現地に入ろうと計画していました。

-中止や延期が正式決定していないが気になる

木下 いいえ。もう中止か延期だと思って切り替えています。いつか出られると思って、その時までにレベルアップしていたいと思えるようになりました。一時はモチベーションを保つのが難しいかと落ち込みましたが、今は大丈夫です。

-現在の練習は

木下 (出身の)奈良県内で。1日300~400球打ち込んだり、苦手なアプローチはコースに出てやったり。休みなしで毎日練習です。それとトレーニングもほぼ毎日、下半身を中心に1時間から1時間半やります。右足の外側に力が逃げていたスイングも変えました。飛距離は去年より5~10ヤードは伸びています。

-試合が再開されたら

木下 国内ツアーをメインに、アジアンツアーも出て行きたい。特に国内で試合がなくなる夏場は。そのために、2月にアジアンツアーのQT(予選会)にも出場したので。シンガポール・オープンに良い状態で臨めたので、それをキープして国内開幕戦と思っていましたが、落ち込んでも仕方のないこと。全英オープン以外でも「20代でメジャー出場」を目指していきたい。【聞き手・高田文太】

◆木下稜介(きのした・りょうすけ)1991年(平3)7月16日、奈良県生まれ。10歳でゴルフを始める。香川西高3年時に全国高校選手権で2位。大阪学院大4年時に朝日杯日本学生選手権優勝。14年にプロデビューし、7戦目のダンロップ・スリクソン福島オープン2位。18年に下部のAbema TVツアーで初優勝。174センチ、75キロ。