ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第2回はダンロップ契約の勝みなみ(21=明治安田生命)。

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「黄金世代」は元は「みなみ世代」だった。鹿児島高に入学したばかりの14年KKT杯バンテリンレディースでツアー史上4人目(当時)のアマチュア優勝を史上最年少で飾ってから、98年度生まれをリードしてきた。

真面目さ、プロとしての気概がクラブ選択に現れる。アイアンはスリクソンZフォージド。クラフトマン(CM)が「自分のミスをしっかり感じたいタイプ」という勝は、ヒットの感触がストレートに伝わるフラットバックタイプを使い、自分のスキルにこだわる。

昨季の部門別ランクで平均ストローク71・1858は12位。同世代の4位渋野、9位河本、10位小祝に後れを取った。飛躍の鍵は平均以上の飛距離ながら、フェアウエーキープ率81位と安定感に欠いたドライバーショットか。本人が「すごくいい」と言う昨季後半に投入したゼクシオエックスを使用する。CMは「左へのミスを恐れずに振り切る。飛距離と方向性の安定」をテーマとみる。課題をクリアすれば、70%未満で33位だったパーオン率を上げ、平均パット数4位(1・7641=パーオンホール)のパッティングとかみ合い、平均ストロークも上がるはずだ。

クラブへのこだわりは「感覚派」でシャープな顔が好み。振り心地、捕まりに重きを置く。ウエッジでは上げたり、抑えたり、打ち方のバリエーションが効くタイプを求める。

感性豊かな人柄は、CMへの接し方にも出ている。「プロから話しかけてくれますね。積極思考で好奇心旺盛。グリップ交換、クラブ変更も“摩耗”や“溝が減ったから”ではなく“何月、何の試合で変更します”と、自分で決めて言ってくる」。ちなみに「歌もめちゃくちゃうまい!」らしい。【加藤裕一】

<勝みなみのダンロップ契約クラブ>

▼1W=ゼクシオエックス(ロフト角10・5度、シャフト=三菱ケミカル ディアマナB50、硬さS、長さ45・25インチ)▼FW=スリクソンZ F85(3W15度、5W18度)▼ユーティリティー(UT)=スリクソンZ H65(4U22度、5U25度)▼アイアン=スリクソンZフォージド(5I~PW)▼ウエッジ=クリーブランド RTX4ブラックサテン(50、54、58度)▼ボール=スリクソンZスターXV

◆勝(かつ)みなみ 1998年(平10)7月1日、鹿児島市生まれ。鹿児島高卒。名前は漫画「タッチ」のヒロイン浅倉南から。ゴルフは6歳から。14年4月のKKT杯バンテリンレディースで「15歳293日」のツアー史上最年少V。アマチュアで日本ジュニア、日本女子アマなど優勝。17年プロテスト合格。プロ初Vは18年大王製紙エリエールレディース。アマ時代含めツアー通算4勝。157センチ、56キロ。