ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第9回はブリヂストンスポーツ契約の古江彩佳(19=フリー)。

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古江はミレニアム世代で1人だけ、昨秋にアマチュア優勝を飾り、一足早くプロ転向した。プロでの出場は4試合だけで規定ラウンド数に満たず、部門別ランクは全部対象外だが、データは新人離れしている。

仮想順位をつけると、平均ストローク70・3846は3位、パーオン率78・6325%は1位。ドライバーショットは安定感抜群でフェアウエーキープ率80・2198%。平均飛距離242・20ヤードから考えると、驚異的な数値だ。

クラブ担当のクラフトマン(CM)は「80%はすごい! でも、スイング軌道などを計測した数値を見たら“こりゃ何発打っても真っすぐいくだろう”と。軌道はアウトサイド・インでもインサイド・アウトでもなく、ほぼインサイド・イン。数値は一定。完成度はウチの契約プロの中でトップクラスです」と話す。

CMが初めてじっくりプレーを見たのは、アマチュア優勝した昨年10月富士通レディースだった。「私はコーチじゃないのでスイングのことはわかりませんが、単にショットメーカーというだけでなく、すべてに精度が高いオールラウンダーの印象でした。アプローチも上手。大事なところで決める、勝負強い」。

現時点で最も新しいクラブは、昨季から使用するフェアウエーウッドのツアーB JGRだけ。それ以外は17、18年モデルを使っており、徐々にシフトしていく予定だ。「普段の印象はほんわかしてるのに、ゴルフになるとスイッチが入る」とCM。ある意味で“成熟した新人”に安心している。【加藤裕一】

◆古江彩佳(ふるえ・あやか)2000年(平12)5月27日、神戸市生まれ。ゴルフは4歳から。滝川二2年の17年に全日本大学・高校選手権優勝、同年ナショナルチーム入り。昨春から六甲国際GCで研修生となり、昨年10月にツアーの富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝を飾り、プロ転向。昨年のLPGA敢闘賞。師匠は父芳浩さん。153センチ、54キロ。

<古江彩佳のブリヂストンスポーツ社クラブ>

▼1W=ツアーB XD-3(ロフト角10・5度、シャフト=フジクラ スピーダーTR、硬さS、長さ45・25インチ)▼FW=ツアーB JGR(3W15度、5W18度、7W21度)▼ユーティリティー=ツアーB JGR(4U23度、5U25度)▼アイアン=ツアーB X-CB(6I~PW)▼ウエッジ=ツアーB XW-1(50、54、58度)▼ボール=ツアーB XS