ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。 「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第11回はキャロウェイ契約の上田桃子(33)。

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日米ツアー15勝の07年賞金女王にとって昨季は、健在ぶりを示すシーズンだった。上田の賞金ランクは17年6位、18年が21位。昨季の賞金ランクが前年を下回れば、多くの女子プロの前例から「衰え」を指摘されかねない状況だった。だが昨季は9位と盛り返した。

右から左に曲がるドローヒッターながら大崩れしないのは、日米で培った経験から高い技術を有している証明だ。そんな上田のクラブ選びについて、担当者は「飛距離は大切と思いながらも、クラブ全体のバランス、流れに重きを置く」と説明する。今オフのフィッティングでは、あらためて自身のデータを確認の上、ドライバーを昨季のGBBエピックスターから、新作のマーベリックSZにかえる予定でテスト継続中だ。

担当者は「クラブのスイッチにはかなり時間をかける。トーナメントを見ると思い切りの良さがうかがえるが、クラブ選び、スイッチ等はかなり慎重派」と分析する。近年は、若手の飛距離が伸びていることを実感しているというが、上田は「飛距離が伸びる可能性を感じる」と、ヘッド形状や打感の良さから、新作に信頼を寄せている。

パターは昨季前半戦で2勝した当時の「オデッセイ ホワイトライズ IX 1SH」から、終盤戦で変更した「オデッセイ ストロークラボ TEN S」を、今季も引き続き使用する。長年慣れ親しんだブレード型から、形状の全く異なるネオマレット型へ。“慎重派”の上田が1年前とはドライバーもパターも変更予定。今季のセッティングに、再び賞金女王争いに加わる決意がにじみ出ている。【高田文太】

◆上田桃子(うえだ・ももこ)1986年(昭61)6月15日、熊本市生まれ。9歳からゴルフを始める。東海大二高卒業後の05年にプロテストに合格。07年ライフカードレディースで初優勝。同年5勝を挙げ、史上最年少の21歳で賞金女王に。主戦場は08年から米国、14年から再び国内。日米通算ツアー15勝。趣味は音楽鑑賞、ショッピング。161センチ、54キロ。

<上田桃子キャロウェイ契約クラブ>

▼1W=マーベリックSZ(ロフト角10・5度、シャフト=ツアーAD、PT6、硬さSR、長さ45インチ)▼FW=XHOTプロ(3W15度、5W18度)▼アイアン=APEX16(6I~PW)▼ウェッジ=Xフォージド(50、54、60度)▼パター=オデッセイ ストロークラボ TEN S▼ボール=クロムソフトX