ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第15回はテーラーメイド契約の永峰咲希(25=ニトリ)。

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ツアー本格参戦1年目の15年から賞金シードを守る。18年にはツアー初優勝も果たした。安定したプロ。それが永峰の世間的イメージだ。しかし、クラブ担当のクラフトマン(CM)には物足りない。

「才能を考えたら、今まで最低3勝はしとかなきゃウソです。ウチの絶対的エースを目指してほしい」。

ドライバー、アイアンショット、ショートゲーム、パットとすべてで、平均以上の力を持つオールラウンダー。中でも「セカンドショットがうまい。グリーンにしっかり止める技術がある」という。その強みを生かし、より攻撃的なプレーを実現するために、期待するのはドライバーの飛距離アップになる。

同社のドライバーは米男子ツアーでウッズ、ジョンソン、マキロイらが使用するなど圧倒的支持を受ける。新モデルSIMシリーズはヘッドの空気抵抗減を肝に開発され、多くのプロからスイングスピードが上がり、飛距離が伸びたとの報告を受けているという。

永峰も今季、SIMマックスを投入する。「単純に飛距離が伸びたら、確実にチャンスが増えるはず」。ドライバーが飛べば、グリーンを狙うクラブはより短くなる。シンプルな話だ。

同社のウエアを着て、ウエッジ、パターまで全14本のクラブ、ボールを使う総合契約プロ。「今年はツアーが何試合になるかわかりませんが、絶対1勝はしてほしいです」。“広告塔”らしい活躍を期待している。【加藤裕一】

◆永峰咲希(ながみね・さき)1995年(平7)4月28日、宮崎市生まれ。ゴルフは11歳から。宮崎日大高の3年間、ナショナルチームのメンバー。同高2年の12年日本女子オープンでベストアマ。14年プロテスト合格、15年から昨季まで5年連続賞金シード、18年フジサンケイ・レディースでツアー初優勝。師匠は池田兼武。158センチ、58キロ。

<永峰咲希のテーラーメイド社クラブ>

▼1W=SIMマックス(ロフト角9度、シャフト=フジクラ スピーダー661 EVO6、硬さSR、長さ45・5インチ)▼FW=SIMマックス(3W15度)▼ユーティリティー=SIMマックス(3U19度、5U25度)GAPR Hi(6U28度)▼アイアン=P760(6~PW)▼ウエッジ=ミルドグラインド2(50、54、58度)▼パター=トラスTB1▼ボール=TP5