国内ツアーデビュー2戦目の笹生(さそう)優花(19=ICTSI)が7バーディー、ノーボギーの65で回り、7アンダーで単独首位に立った。開幕戦に続く2戦連続の初日首位発進と恐るべき新人が出現した。2打差の5位にはプロ2戦目の西郷真央(18=大東建託)。ともにジャンボ尾崎の愛弟子が、女子ゴルフ界に新風を吹き込んだ。

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とてつもない可能性を秘めたルーキーが出現した。01年生まれで19歳の笹生が、ボギーなしの65をマークし、第1日の単独首位に躍り出た。平均飛距離260ヤード以上というドライバーを生かし、480ヤードの16番パー5では2オンに成功。この日2つ目のバーディーを奪い、波に乗った。

前半を3アンダーで折り返すと、後半も勢いは止まらない。3番パー3では7番アイアンでのティーショットをピン1メートル弱につけ「この日1番良かった」というバーディー。7つのバーディーで5位に入った開幕戦のアース・モンダミン・カップに続き、2戦連続第1日首位発進を果たした。

「ドライバーがあんまりラフに行かなかったのが良かった。コロナで練習ができなかったので、自分でもビックリ」と驚きを隠さない。それでも飛ばし屋優利と言われるコースで結果を出し「難しいホールもあるが飛んでた方が優利」と胸を張った。

日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれ、両国の国籍を持つ。14歳でフィリピン女子ツアーにプロに混じって優勝。18年ジャカルタ・アジア大会ではフィリピン代表として金メダルを獲得した。日本でプロテストに合格すると、尾崎将司に師事。メキメキと力を付けてきた。

開幕戦の結果を報告した尾崎には「もっとアプローチの練習をしないとダメだな」とアドバイスされ、練習で取り組んできた。プロ2戦目の優勝には「まだそこまで意識していない」とそっけないが、夢の「世界一」へ向け進化を続ける。【桝田朗】

◆笹生優花(さそう・ゆうか)2001年6月20日、フィリピン生まれ。父の影響で8歳からゴルフを始める。少女時代からフィリピンや各国のジュニア大会で活躍。14歳でフィリピン女子ツアーで優勝。15年にはサントリー・レディースで国内ツアー初出場も経験。18年にジャカルタ・アジア大会金メダル。19年にはオーガスタ女子アマで安田祐香とともに3位。同年11月のプロテストに合格。164センチ、59キロ。