新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた男子ゴルフの国内ツアーは、3日からのフジサンケイ・クラシック(山梨・富士桜CC)でようやく国内初戦を迎える。すでに3戦を終えた国内女子ツアー開幕に遅れること3カ月。米ツアーは終盤にさしかかる中、万全の感染対策をほどこし、ようやく開催にこぎつけた。ツアーは1月にシンガポールで行われた開幕戦以来、約8カ月ぶりの待望の第2戦となる。

2日、各選手は開催コースで前日の最終調整を行った。その後、リモート会見に臨んだ昨年の賞金王、今平周吾(27=フリー)は「ずっと試合がなくて、やっと試合ができるのでうれしい。久々なので、どういう感じでゴルフできるのか分からない」と戸惑いを隠さない。今季はすでに25試合中、17試合が中止。今季と来季を合わせた2シーズンを1つのシーズンとして行うことになった。

大会は無観客で行われ、選手たちはクラブハウスの使用も禁じられた。メディアにも感染を調べる事前のPCR検査が義務付けられ、取材も基本はリモート会見。そんな中、選手会の副会長でもある石川遼(28=CASIO)は無観客ゆえの映像を含め、SNSを使った積極的な情報発信に、選手会のファンプロジェクトとして取り組んでいる。「無観客という状況の中でも、ファンのみなさんへの感謝を表すプレーをしたい。そんな選手の思いを形にした」と話した。

国内初戦の開催にはこぎつけたが、今回はシード権を持つ外国人選手たちが、入国制限によって出場できない。選手会長の時松隆光(26=筑紫ケ丘GC)は「選手会の中でいろいろ話し合っている。外国人選手とも連絡を取り、日本の現状は理解してもらっているが、早く入国しやすい環境になることを祈っています」と話した。さまざまな葛藤を抱えながら、ようやく、国内に男子ゴルフが帰ってくる。【桝田朗】