日本女子プロゴルフ協会公認の2020朝日インテック・ドライビング女王コンテストが競技終了後に行われ、今季ツアー2勝の新人、笹生優花(19=ICTSI)が270・0ヤードを飛ばし、優勝。「女ウッズ」が飛ばし屋NO・1の称号を手にした。

ツアー未勝利の東浩子(28=加賀電子)が、ミレニアム世代の古江彩佳(20)と通算11アンダーの首位で並んだ。

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左からのアゲンストは、体感で風速2~3メートル。1番パー4で指定エリアはフェアウエー+セミラフ。笹生は正面からまともに西日を受けながら、こん身のスイングで270ヤード先にボールを運んだ。「予選も(26位で)通ったし、ドラコンもとれてうれしい」。3連覇を狙った穴井を1・9ヤード抑え、堂々たる「飛ばし屋女子プロNO・1」の肩書を手に入れた。女ウッズの飛ばしのコツは単純だ。

「飛ばすには振らないと。振るしかないでしょ? 『体を動かさないように』とか、意味がわからない。うまく体を使って振るんです」

ゴルフを始めた頃は75ヤード先の看板に届かなかった。母の母国フィリピンで腕を磨いたが、周りは男ばかり。だから“男のゴルフ”だ。ドライバーショットのイメージは、男子の元世界ランク1位ロリー・マキロイ。「全然できていませんけど。デシャンボーみたいに振ったら、もっと飛びますかね」と、米ツアーで話題の超マッチョ化プロを引き合いに出し、笑った。

人生最大の飛距離はアマチュア時代、18年フジサンケイレディース第1日、12番ホールで計測した310ヤード。「ホールが下っていて、ランが出て。だからズルです」。ホールの形状、風向きを計算して、ドローもフェードも打てるが理想の球筋は「飛んで曲がらない」ことだ。「いい当たりだったけど、まぶしくて(前方や手元が)見えなくて、少しひっかけた」。270ヤードも完璧ではない。規格外の19歳はまだ、底を見せていない。【加藤裕一】

◆ツアープロの飛距離 国内男女両ツアーの昨季、ドライビングディスタンスを見ると、男子は1位がC・キムの315・83ヤード、女子は1位が穴井詩の260・67ヤード。今季は両ツアーともコロナ禍による人員抑制のため同記録を計測していない。