黄金世代の原英莉花(21=日本通運)が腹痛に耐え、4アンダーの68をマークした。

「スタート前からおなかが痛くて…。スタートできないんじゃないかと焦りました」。昨晩食べたのはパスタで、他にはミルクを飲んだだけ。「生ものは気をつけているし、大好きな生がきも我慢してるし」。と“危ないもの”はなかった。ところが、この日朝、コースに向かう途中のコンビニで怪しくなった。スタート直前までクラブハウスで体調を整え、時間ギリギリでティーグラウンドに到着した。

スタート10番から3連続バーディーを奪ったのに、記憶があるのは12番パー5の第2打以降。3番ウッドを手に「これは踏ん張んなきゃ」と気合を入れたからだという。

そんな体調なのに、前半15番からも4連続バーディーを奪った。打ち上げでアゲンスト、体感的に450ヤードはありそうな18番パー4(432ヤード)では、残り180ヤードの第2打を5番アイアンでピン右8メートルへ。下りフックラインを、ジャストタッチで沈めた。後半アウトはバーディーなしの2ボギーだったものの、前半インは7バーディー、1ボギーで30。見事なロケットスタートを決めた。

好スコアの最大の要因は、フェアウエーキープ率100%だった第1打だ。ドライバーでこだわるドローボールが完璧だった。師匠の尾崎将司に「オマエはフェーダーだろ」とスイング軌道とイメージの違いを指摘されている。「アホなことをって思われてるでしょうけど…。右を向いて(右に出して、左に戻す球が)打てるようになった。こんなに気持ちよく振っちゃっていいのかなってくらいです」。アマチュア時代から6年連続6度目の出場の最高峰大会。思わぬハプニングを乗り越え、優勝争いに名乗りをあげる時がきた。