初開催の柏オープンゴルフ選手権は、地元出身の上野晃紀(22)が9バーディー、2ボギーの65で回り、同じゴルフセンターで育った幼なじみの金田直之(24)とのプレーオフを制して初代王者となった。

5歳でゴルフを始めた上野は、金田の実家が経営している柏市内の美里ゴルフセンター出身。小学3年の頃に2学年上の金田らと3人でJPGA主催のジュニア大会に出場した縁などもあり、幼い頃から互いを意識しながら切磋琢磨(せっさたくま)してきた。

この日は先に上野が7アンダーでホールアウト。その後、金田が最終18番でバーディーを奪い、1イーグル、5バーディーで追いつく形でプレーオフへ突入した。上野は金田とのプレーオフについて「夢みたいにうれしかったですし、緊張していましたが、ティーショットもうまく打ててよかった。(金田と)戦えてよかったです」と笑顔で振り返った。最後のパットを沈めて優勝を決めると、すぐに金田とがっちりと握手。金田も「素直におめでとうと言いたい。地元選手として大会は盛り上げられたかな」と話した。

慣れ親しんだコースだった。藤ケ谷CCは実家から車で15分と幼い頃から「20ラウンドぐらいはしたかな」(上野)と語るホームグラウンド。加えて母親は同CCでキャディーとして勤務経験があり、この日の前には難しいコースの攻略法などを伝授されていたという。上野は「みんな苦戦していたけど、嫌なパーパットとかも結構入ってくれてよかった。母のおかげかな」と照れくさそうに笑った。

柏の活性化とゴルフ発展を願って創設された地元大会で、これ以上ない弾みをつけた。今後については「目標は世界で活躍すること。階段を1歩ずつ上っていきたい」。成長を続ける22歳が、さらなる大舞台での躍進を目指す。【松尾幸之介】