渋野日向子(22=サントリー)が首位と1打差2位で、今季自己最高のスタートを切った。9番パー5で2オンに成功、今季国内2個目のイーグルを奪うなど、他は3バーディー、1ボギーの4アンダー、68。今大会の目標に「1日3アンダー×4日」を掲げ、昨年大会のペ・ソンウのVスコアを1打上回る通算12アンダーとし、復活Vをうかがっていく。渋野と同じ黄金世代の原英莉花(21)が5アンダーで首位に立った。

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絶好のシチュエーションに、渋野の意欲が沸き立った。左ドッグレッグの9番パー5(490ヤード)。フェアウエーから残り234ヤード。風はフォロー。打ち上げのグリーンのピンへ、バンカーに挟まれた花道を抜けるルートが見えた。

「ちょうどグリーン手前エッジで跳ねてくれたら…」。3番ウッドの一振りはイメージ通りの弾道でピン左上7メートルへ。下りスライスのイーグルパットがカップに吸い込まれると、思わず「イェ~ッ!」と声が出た。「完璧ですね」。10月30日の三菱電機レディース第1日に決めたホールインワン以来、今季国内2個目のイーグルは会心だった。

復活へ。渋野は「17番までノーボギーだったのが、ビックリなぐらい落ち着かない感じでした」という。予期せぬ出球になりやすいティフトン芝のラフを、ミスショットが避けて止まってくれた。運はある。ただ、手応えもある。5アンダーを出した大王製紙エリエールレディースの最終日。「その時に比べてスイングのリズムはすごく良くなっている」とうなずく。

4週前の三菱電機レディース時が精神的にどん底だったが、家族と話したりする中で「昨年の自分に“戻る”のでなく“これから作り上げていく”と考えるようになった」という。

今大会は「1日3アンダー×4日」の目標を立てた。「そこを達成したい。今の自分ができることを最大限やり通したい」。目標通りなら通算12アンダー。昨年の優勝スコア通算11アンダーを上回る。前を向く渋野の復調気配は間違いない。【加藤裕一】