23位で出た松山英樹(28=LEXUS)が、米ツアーでハーフ自己ベストとなる後半28の猛チャージで、首位と3打差の7位に浮上した。

1イーグル、6バーディー、3ボギーの65で回り、通算9アンダー、131。インコースの前半でスコアを2つ落としたが、6番からの終盤4ホールで5つ伸ばした。日本勢は6人出場し、小平智は通算5アンダーの46位、木下稜介は同4アンダーの57位で決勝ラウンド進出。通算3アンダーの金谷拓実、同4オーバーの石川遼と香妻陣一朗が予選落ちした。ニック・テーラー(カナダ)が同12アンダーで首位に立った。

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3番パー4で4・5メートルのパットを沈め、後半最初のバーディーを奪ったのが、猛チャージの合図だった。続く4番パー3では、12メートルを沈めて連続バーディー。5番こそパーだったが、圧巻は6番からの4ホールだった。6番パー4は第2打を2メートルにつけ、7番パー3は6メートルのパットを決めた。8番パー4も第2打を2メートルにつけるなどショット、パットともに好調で3連続バーディー。9番パー5は第2打を3メートルにつけてイーグルで締め、キャディーとグータッチで静かに喜んだ。

18番で最初のバーディーを奪ったが「3、4番で長いの(パット)が入ってくれて、後は流れ良くプレーできた」と、前半はきっかけをつかめないままだったという。3連続ボギーで、一時は1アンダーまでスコアを落とした。「予選落ちが見えて、けっこう危ない状態から、優勝争いというのは不思議な感覚」と、勢いに実感が追いつかないほどの猛チャージだった。

ハーフ「28」は、米ツアーでは従来の自己最少だった、18年デルテクノジーズ選手権(フロント9)、同年AT&Tバイロン・ネルソン(バック9)の「30」を上回った。「最初の9ホールは、何をやってもうまくいかなかった」と、最下位の41位だった今年初戦の前週に続き、パットが決まらなかった。ついには「悩みすぎて『後半はクロスハンドにしようか』と、早藤(キャディー)に聞いた」という。だが「やめておいた方がいいと言われた。そのあと入ったのでいい判断だった」と、ほほ笑んだ。

「後半みたいに(パットが)入れば優勝のチャンスが多くなる。明日から優勝争いしてみて、パッティングがどうなっていくかというのも知りたいところ」。今大会だけではなく、今後も見据え、緊張感の高まる中でのパッティングを浮沈のカギに挙げる。まずは今大会、4年ぶりの優勝を全力で奪いに行くつもりだ。