女子プロゴルフで国内通算2勝の稲見萌寧(21=都築電気)が27日、千葉市内で報道陣に練習を公開し、今年からフィジカル強化を目的に取り組むキックボクシングなどを披露した。

午前9時にパーソナルジムに姿を見せると、下半身を中心とした筋力トレーニングをみっちり約1時間行い、そこからはグローブをはめてのミット打ち。軽快にパンチとキックを織り交ぜ、インターバルをとりながら約20分間、黙々と打ち込んだ。

終了後はウエアに汗をにじませ「今日は結構ハードでした。ボクシングで使う腰のキレと瞬発力はゴルフにつながるところがある。上半身のねじれがスムーズになりました」と成長を語った。今年に入り「体を大きくしたい」と元キックボクサーの平野洋平トレーナー(40)が指導する同ジムに加入。週5~6日ペースで通い詰める日々を過ごしている。サプリメント商品「DNS」のサポートも受け、プロテインなどの摂取も実ってこのオフで体重は5キロ増加。昨年の全米女子オープンなど海外大会への出場で飛距離向上の必要性を感じ始めていたといい「(体が大きくなり)服が入らなくなった。いいことです。最初は筋肉痛で歩けなかったけど、今は(トレーニングの)強度を上げても大丈夫。あと1、2キロくらい増やしたい」と意気込んだ。

午後はジュニア時代から通い詰める同じく千葉市内の北谷津ゴルフガーデンへ移動。ドライバーやアイアンなどのショットを入念に確認した。昨年はオフに沖縄合宿も敢行したが「こっちにいた方が(筋力)トレーニングが多くできる」と今年は自宅から車で共に20分圏内にあるジムと練習場を行き来するコンパクトな調整をルーティンとし、肉体改造を進めている。

今年初戦となる「ダイキン・オーキッド・レディース」(沖縄)まであと約1カ月。「早く感じますね。(仕上がりは)まだ2、30%」と口にしたが、練習場では一回り大きくなった体でキレのあるボールを飛ばし、ドライバーは最大230ヤードのネットまで楽々と届いた。6月末までは世界ランキングを基にした東京五輪代表争いもある。各国ランキング上位2人までが選出され、稲見は現在、日本人5番手。「狙える可能性は0ではない」と口にし「どうしても出たい気持ちはある。(6月までに)複数優勝ができれば。狙ってはいます」と進化した体でのスタートダッシュを誓った。【松尾幸之介】