女子ゴルフツアーの今年初戦、ダイキン・オーキッド・レディースが4日から沖縄・琉球GCで開幕する。ツアー通算7勝の佐伯三貴氏(36)に、賞金女王争いや渋野日向子への期待など今年のポイントを聞いた。

  ◇   ◇   ◇

開幕戦の琉球GCはアップダウンはないけど、天候に左右されるコース。グリーンも年間に数回しかない高麗芝で、しっかりパッティングが打てる選手が有利になります。若い古江や小祝が風の中、落ち着いた調整をしていたし、ベテランの上田、有村もしっかり調整していました。開幕戦は、見どころ満載の戦いになりそうです。

賞金女王争いは、笹生が開幕からスタートダッシュをかけていくのか、虎視眈々(たんたん)と狙う古江、原、小祝の若手3人が出てくるのか。もちろん、ベテランにも早めに優勝すれば、チャンスはあります。今年は、優勝賞金が大きい大会も多く、同じ3勝でも金額に大きい差が出ることもあります。

その中で、女王争いのカギとなるのは、パッティングではないかと思います。パッティングのランキングの上位にいる選手は、どんなコースにも対応できるので、全体的に上位にいく傾向があります。鈴木や渋野も勝っているときは、パットがいい。そこに注目しています。

渋野は、去年の成績は本人の中では不完全燃焼だった分、今年は頑張ろうと気持ちを切りかえているはずです。昨年の終盤のプレーを見れば、自分の中で納得してシーズンを終えられたでしょう。その手応えがあれば、3月、4月中に優勝は十分ありえると思います。渋野も含め、五輪出場がかかっている今年は、可能性のある選手が6月までに勝ちに来る、激しい争いが期待できる年になりそうです。

今大会で私が注目している選手は3人です。まず、今回のみの復帰となる諸見里しのぶ。ホステスプロとして大会を盛り上げて欲しいです! それからディフェンディングの比嘉真美子は地元ですし、大会2連覇の権利があるのは、彼女だけなので。最後はやはり渋野日向子。今年の1年のスタートをいい形で始めてほしいです!

私は、昨年からコーチをしている沖せいらのキャディーを務めます。昨年に続き2度目ですが、選手としてやっているときと全然違う緊張感があります。選手をいかに気分を乗せて、いいスコアを出させるか。自分がキャディーとしてしてもらったことを、自分の教え子にもしてあげたいと思います。

特に声がけです。私もキャディーさんにいい声がけをしてもらって、救われたことがたくさんあったので、選手の表情を見ながらしていきたいと思います。選手も、私に頼りすぎず、精神面でお守りがわりになればいいと考えています。

開幕戦はお客さんを入れて開催します。このダイキン・オーキッド・レディースで成功を収めて、これを成功例として今後の大会にもつなげていければと思います。選手たちはギャラリーがいることで、絶対パフォーマンスが上がります。大勢のギャラリーの中で優勝争いをして勝ちきることが、最高のステータスになります。そういう環境に早く戻ることを期待しています。