女子ゴルフの上田桃子(34=フリー)が渋野のアグレッシブな姿勢を見習いながら、大会連覇を狙う。18日、19年の前回大会覇者として臨む国内ツアー第3戦「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」(3月19日~21日、鹿児島高牧CC)の前日会見に出席した。

同大会はコロナ禍の影響で20年は中止となっていた。会場のある鹿児島の隣、熊本出身でもある上田は「1年分の思いをさらに込めて、会場も九州ですし、より一層頑張りたい。体調はすごくいいですし、調子自体も悪くないので。焦らずに3日間プレーしたい」と力を込めた。

21年の女子ツアーは3月から開幕し、初戦のダイキン・オーキッド・レディースでは上田と同じ辻村明志コーチに師事する小祝さくら(22)が優勝。第2戦の明治安田生命レディースでも辻村氏の指導を受ける永井花奈(23)が、惜しくも優勝こそ逃したが、首位タイで終えて稲見萌寧(22)との3ホールに及ぶプレーオフを戦った。上田はそんな2人も含めた同コーチのチームリーダーとしてオフの合宿なども行ってきた。当然、刺激は受けており「チームとしての士気は上がっています。合宿では私やチームにいるアマチュアの子が良かったりする日もある。自分たちもいけると思わせてくれる活躍だと思います」と話した。

2021年の目標を聞かれると「1年間を通して高い集中力を維持できるように頑張りたい」と答えた。思いをめぐらせたきっかけは、自身も出場した昨年12月の全米女子オープンで4位に入った渋野日向子(22)のアグレッシブな戦いぶりだったという。ドッグレッグしているコースでのティーショットを例に挙げ「(渋野は)右ラフに打ったら打てないというところで、ギリギリのところを狙ったりしていた」と語った。

これまで上田自身やコーチの中ではリスクマネジメントが当然の考え方としてあった。しかし、ショットから積極的に狙っていく渋野の姿は印象的で「安パイという感じが一切なく、彼女のゴルフには魅力があるなと思いました。そういうことも考えてオフにはスイング作りをしていた。若い人の迷わずいくところは勉強になる。自分も決めたときはいくっていうゴルフをしたいなと思います」。07年賞金女王など実績十分のベテランは若手の姿も刺激に国内15度目の優勝を狙う。