日本人で唯一出場の松山英樹(29=LEXUS)が、ホールアウト時点で2位に3打差をつける首位で、第3ラウンドを終えた。

1イーグル、5バーディー、ボギーなしと7つ伸ばす65で回り、通算11アンダー、205。首位から出て通算8アンダーでラウンド中の首位ジャスティン・ローズ(英国)がこの時点で2位、ザンダー・シャウフェレ、ウィル・ザラトリス(ともに米国)が、通算7アンダーで3位で追う展開となっている。

出だしの1番パー4は、ティーショットが右サイドの木に当たり、バンカーに入れながらも、第3打を2メートルに寄せてパーをセーブした。その後、我慢の展開でパーを拾い続けると、7番パー4で、残り約135ヤードの左ラフから、第2打を1・5メートルにつけた。第3打のパットをカップ左端のギリギリにねじ込み、最初のバーディーを奪った。バーディー先行の良い流れで折り返した。

後半に入り、10番パー4で3メートルのパーパットを残すピンチを迎えたが、これをしのいでボギーなしを継続した。続く11番パー4で、ティーショットを曲げて右のラフに入れると、雷雲接近による中断を告げるホーンが鳴った。

77分間の中断が明け、首位と2打差の3位から再開後の一打、11番の第2打は、残り約170ヤードから5メートル余りにつけた。これを決めて2つ目のバーディー。さらに12番パー3は、ティーショットを3メートルにつけ、今大会初の連続バーディーを奪った。通算7アンダーとし、ついにローズと並んで首位に立った。

終盤に入ると、さらに勢いを加速させた。15番パー5。同組のザンダー・シャウフェレ(米国)がイーグルパットを決めて通算7アンダーで並ばれた。ほぼ同じタイミングで、ローズは12番でバーディーを奪い、同8アンダーに伸ばしていた。それでも松山は、その上を行った。残り200ヤード余りからの第2打でつけた、2・5メートルのイーグルパットを決めて通算9アンダーとし、単独首位に立った。3日連続のイーグルで波に乗り、続く16番パー3では、ティーショットを1メートル余りにピタリと寄せてバーディー。さらに伸ばして10アンダーとし、2位のローズに2打差をつけた。

もはや勢いは止まらず、17番パー4でもバーディーを奪った。第2打を2メートルにつけて奪った。2位ローズとの差を3打差に広げた。最終18番パー4は、第2打をグリーンを大きくオーバーするピンチだったが、アプローチをピタリと寄せてパーを拾い、最後までボギーなしで回りきった。

今大会出場10度目で、従来のベストだった68を大きく上回る65に「前半は少しドタバタしながら、パットも決めきることができなかったけど、後半に入って、中断の後から少しグリーンのスピードが落ちたので、13番のパットからいい感じで打つことができた」と、冷静に振り返った。

大きくスコアを伸ばした中断後は「うまくプレーできたかなと思う」と納得の表情を見せた。中断も「去年の中断の方が長かったので、全然苦ではなかった」と、意に介していなかった。「この3日間、あまり波を立てることなく、あまり怒らずできた。明日(最終ラウンド)は、そういうことがすごく大事になってくると思う。それができれば、すごくチャンスがあると思っています」。日本男子悲願のマスターズ王者の代名詞グリーンジャケット、メジャー初優勝を、はっきりと見据えていた。