ワールド・サロンパス・カップが開幕し、第1日はベテランの笠りつ子(33=京セラ)が首位に立った。ツアー7勝の佐伯三貴氏(36)が、笠の好スタートを分析した。

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笠の好スタートは、「上り調子」と「刺激」「強気」の3つの点から見ていきましょう。

直前の3試合を見ると11位→6位→3位と順位を上げています。明るい性格で、ゴルフに対してもずっと真面目に取り組んできた。その勢いがメジャーの第1日の好スタートにつながったと言えます。

もう一つ大きな要因は、前週パナソニックでの上田桃子の優勝です。現在のツアーは、刺激がいい競争につながっています。若い子が勝てば「あの選手が勝てるなら」と若手の励みになり、上田のようなベテランが勝てば30代は奮起します。そういう刺激がツアーを活気づけています。

稲見が4勝、小祝が2勝と若い選手が多く勝っていますが、彼女たちの共通点は、勝っても負けても生活リズムが変わらないこと。勝っても、当たり前のように次の日にしっかりトレーニングをするし、同じルーティンを繰り返しています。切り替えがうまいんです。私たちの時代は、優勝したら次の日は休憩とか、1日ぐらいはお休みのときもありました。

稲見や小祝を身近に見ている選手たちが、同じようなやり方で伸びていく。そういう状況は、五輪に向けて本当に楽しみなことだと思います。

今回は今年最初のメジャー大会。コースもメジャーにふさわしいセッティングで守っているだけでは勝てません。守るところは守り、19年に勝った渋野のように攻める気持ちも必要です。普段の試合よりバーディーチャンスが作りにくい。その中でメンタル面でアグレッシブに押したり引いたりできるか。気持ちの強さが求められます。

笠も強気な方です。今日の好スタートの勢いそのままに、いい展開で週末に入っていけたらと思いますが、まだまだ誰が勝つか分からない展開で面白いですね。

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