前週のパナソニック・オープンでプレーオフの末、2位に敗れた大里桃子(22=伊藤園)が、3年ぶり通算2勝目へ3打差の2位につけた。

4バーディー、1ボギーの69で回り、通算9アンダー、207。同じ98年度生まれ「黄金世代」で首位の高橋彩華を追う。勝てば生涯獲得賞金1億円突破も関心はなく、平常心を保つ。大一番を前に動じない精神力に、雪辱の予感が漂った。

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後半9ホール全てパーの我慢の展開でも、大里は明るかった。「(後半はバーディーを)取れたら最高だけどパットが良かった」と前向き。前半4つのバーディーは、全てミドルパットを決めて奪った。前日の第2ラウンドで1つしか伸ばせなくても「焦りもない。すごく気持ちいいゴルフが続いているのがうれしい」と笑った。プレーオフで上田桃子に負けた前週さえも「先週は上出来。今週もこの位置にいられる幸せを感じている」と振り返る。親友の渋野日向子と同様、どこまでも前向きな性格だ。

3年ぶり2度目の優勝へ、最終日は同じ「黄金世代」でプロ入りも同期、初優勝を狙う高橋を追う。「彩華ちゃんが優勝争いしている時は『頑張って』と応援している。今回は自分が相手なので応援できないけど」と笑った。勝てば生涯獲得賞金が1億円を突破することには「すげえって感じですね。1億円を目の前にしたことないから」と大笑いした。優勝経験者の余裕が、にじみ出ていた。