ミレニアム世代の吉田優利(21=エプソン)が、ツアー通算41戦目で初の首位スタートを切った。6アンダー、66で4月17日のKKT杯バンテリンレディース第2ラウンドに並ぶツアー自己ベスト。美容、ファッションが大好きでプロ仲間にも影響を与える“コスメ番長”が、同世代3人目のツアー優勝に申し分ない滑り出しだ。

アマチュア18戦を含むツアー通算41戦目にして初体験のコースで、吉田がいきなり7バーディー、1ボギーの66をマークした。「ショットもパットもバランス良くスコアにつながってくれた」と喜び「このコースはトリッキーと思っているので、マネジメントが大事」と1日を満足そうに振り返った。

プロなら当たり前のコースマネジメントだが、ちょっと自信はある。元々、パット→そのための第2、第1打という“逆算の論理”を考えるタイプだった。それが16年後半から3年半、ナショナルチームに入り「カリスマコーチ」のガレス・ジョーンズ氏の教えも受けた。オーストラリア遠征試合のスタート前、調子が悪くバタバタ調整していると「今からプレーするんだから、スコアメークだけを考えなさい」と諭された。悪いなりにまとめる-。「アマチュアの試合前はメモをびっしり書き込んでました。今は毎週試合があるので、要点を絞って」。福岡CC和白Cはホールごとにアップダウン、長短のメリハリがある。「打ち上げ、砲台グリーンのホールは第1打の距離を落としてでも、フェアウエーに置く」。例えば14番パー4(344ヤード)。ドライバーを抑えて振り、フェアウエーから残り102ヤードを52度のウエッジで2メートルにつけ、バーディーを奪った。

ゴルフもこだわるが、私生活もこだわる。コースを離れると化粧品、美容グッズ、私服などをこまめにチェック、SNSなどで発信する。同じ辻村明志プロ門下の先輩・小祝や、同世代の古江らに女子力アップの“指南”をすることもある。数十本も持つリップのうち、約10本をツアーで持ち歩く“コスメ番長”は「インフルエンサーや芸能人が使っているものもチェックしたい」と笑い、この日のリップは「暗めの赤」で決めた。

今大会はウェブ投票による「ベストスマイル賞」(賞金30万円)「ベストドレッサー賞」(同20万円)がある。「コースに来るまで忘れてて。テンション上がりました。かわいいウエアを着ないと」。ツアー初優勝と2つの“副賞2つ”へ。吉田が残り2日、強く、かわいくコースに挑む。【加藤裕一】