4月のマスターズに続くメジャー2連勝へ、松山英樹(29=LEXUS)が、首位と2打差の4位に浮上した。6バーディー、2ボギーのベストスコア68で回り、通算3アンダー、141。第2ラウンド終了で首位と3打差の6位だったマスターズよりも好位置で、13年の初出場以来、今大会9年連続の予選通過を決めた。50歳のフィル・ミケルソン(米国)と、68で回ったルイ・ウェストヘーゼン(南アフリカ)が5アンダーで首位。星野陸也は138位、金谷拓実は142位に終わり、予選落ちした。

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日本人男子初のメジャー制覇から1カ月で、予感が再び漂ってきた。周囲を悩ませた強風の中で、松山は全体2番目のパーオン率77・78%。持ち前のショットの正確性は健在だった。2番パー5では、第3打のアプローチを1メートルにつけて最初のバーディーを奪った。風を切り裂くティーショットも「少しずつ良くなっているのは分かった」と、上り調子を実感しながら回った。41位から出て37人ごぼう抜き。「いいゴルフができた。悪くない位置だと思う」。手応えは十分だ。

この日の6つのバーディーは、パー5で15メートル超のイーグルパット後に奪った11番以外、5つはショットで1ピン(2・5メートル)以内につけて奪った。不調に苦しんだパットへの負荷が軽減され、1パットでのバーディーを重ねた。総パット数は、第1ラウンドより4打も少ない27。長所が短所を補う好循環で、リズム良くプレーした。マスターズ後はほとんどクラブを握らず休養に充て、前週復帰してから2戦目だが「ショットに関してはもう、だいぶ戻ってきた」とうなずいた。

現実味を増したメジャー連勝については「そこに対する気持ちはすごくある」と、率直に語った。15年にマスターズ、全米オープンを制したジョーダン・スピース(米国)以来、6年ぶりのメジャー連勝の偉業も見えてきた。一方で「まだそこまで戦える状態じゃない」と、メジャーの勝ち方を知ったからこそ、自身に語りかけるように手綱を締めた。堂々としたプレーを含め、貫禄が漂ってきた。

マスターズはメジャー未勝利のシャウフェレやザラトリスらと争ったが、今大会は強敵ぞろい。首位は10年全英王者ウェストヘーゼンとメジャー5勝のミケルソン、3位は同4勝のケプカ(米国)。「次はすごく大事なラウンドになる」。第3ラウンドで首位に立ったマスターズの再現へ、同じメジャー王者として真っ向勝負で挑むつもりだ。