フィル・ミケルソン(50=米国)が、メジャー6勝目、しかも史上初の50代でのメジャー制覇に王手をかけた。5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70と2つ伸ばして回り、通算7アンダー、209。ルイ・ウェストヘーゼン(南アフリカ)と並んで首位から出て、2位のブルックス・ケプカ(米国)に1打差の単独首位で最終ラウンドを迎えることになった。

前半は4つも伸ばした。557ヤードの2番パー5で2オンに成功し、4・5メートルのイーグルパットこそ外したがバーディーを先行させた。3番パー4は、バンカーのような砂地からの第2打を、60センチにピタリとつけて連続バーディーとした。6、7番でも再び連続バーディー。7番パー5は、イーグルパットをわずか10センチ外し、1日上限1万人のうち、多くが見守った観衆を沸かせた。

長年、タイガー・ウッズ(米国)のライバルとしてメジャータイトルを争い、絶大な人気を誇る。現在でこそ115位だが、世界ランキングは27年以上も100位以内に君臨し続けるなど、常に一線で活躍してきたレフティー。今大会はメジャー史上最長の7876ヤード、16番パー5は608ヤードもある。パワーが求められる難コースでの開催だが、3日連続アンダーパーを並べる驚異の身体能力を見せている。前半終了時点では、2位の松山英樹らに4打差をつけ、独走態勢になりかけた。

後半はともにパー4の12番でボギー、13番で池に入れるなどしてダブルボギーをたたき、一時は暗雲も立ち込めた。それでも14番以降、最難関の終盤をパーセーブした。これまでのメジャー最年長優勝は、1968年の全米プロ選手権を制したジュリアス・ボロス(米国)の48歳。来月に16日は51歳となるミケルソンが、50年以上も破られていない記録を大幅に上回り、不滅の金字塔を打ち立てる可能性が高まった。