レギュラーツアー通算9勝を誇り、19年限りで第一線から退いた諸見里しのぶ(34=ダイキン工業)が、コースセッティングで大会を支えている。

国内女子ゴルフのステップアップ(下部)ツアー、ECCレディース(日刊スポーツ新聞西日本後援)が26日に兵庫・北六甲カントリー倶楽部東コース(6497ヤード、パー72)で開幕。第1日はアマチュアの川崎春花(18=大阪・大院大高)が5アンダーで首位発進した。

担当4試合目という諸見里は「3アンダーぐらいを想定していました。それを超えてきてくれて、すごくうれしかった。若いアマチュアの選手、1人1人のレベルが上がっていると思います」と健闘をたたえた。 今大会は雨予報の第2日(27日)を基準に設定したという。晴れとなった初日は「グリーンがとてもいい状態。締まっていて、スピードがあった」と分析した。自身が選手時代には回ったことがないコースで「難しさがありました。皆さんの力をもらいながら、何とか…です」と苦笑いした。

陰で支える役割は、やりがいも大きい。その面白さを、諸見里はこう明かす。

「どうしても選手時代の私の視点で考えてしまう。例えば私は距離が飛ばない方。逆に何ヤードか前に飛ぶ選手は、それだけで次に見る景色が変わります。見ていて『そうそうそう、そこに打ってほしかった!』ともなりますし、想像を超えてきた時には、すごくうれしい気持ちになります」

先輩の手ほどきを受けて学びの日々。その中で、理想のセッティングがある。

「ステップアップツアーの選手たちが、レギュラーツアーに行った時に『こんなに違うんだ』『難しいな』となるのか『回りやすいな』と思うのかは、全然違うと思います。レギュラーツアーにつなげられるようにできれば…と思います」

選手が引き揚げ、関係者のみとなったクラブハウス。翌日に向けた最終調整を済ませ、諸見里の1日が終わった。【松本航】