1打差の2位から出た若林舞衣子(33=ヨネックス)がプレーオフで野沢真央(24=愛知製鋼)を下し、4年ぶり通算4勝目をつかんだ。

88年のツアー制施行後としては20年ぶり6人目の「ママさん初V」となる。

5バーディー、1ボギーの68で回り、首位で出た野沢を逆転。リードを保っていたが、最終18番を痛恨のボギーとして追いつかれ、通算15アンダー、201で並んでプレーオフへ。1ホール目は両者パーとし、2ホール目でバーディーとして勝負を決めた。若林は先週のニッポンハム・レディースでも堀琴音(25=ダイセル)とプレーオフを戦って敗れており、2週連続プレーオフで今度はしっかりと勝利を手にした。

19年4月に第1子の長男龍之介くんを出産し、昨年6月に産休制度明けでツアーに復帰。今大会は2歳になる龍之介くんが初めて大会会場に来ており、ハーフターン時には夫とともに芝生の上を歩く龍之介くんに手を振る場面も。愛する家族の前で、しっかりと母の強さも示した。

偉大な記録もつくった。先週のニッポンハム・レディース第3ラウンドからノーボギーで戦い、今大会も第2ラウンドまで記録を継続。この日の最終ラウンドの10番までパー以上とすれば15年に申ジエが打ち立てた81ホールを抜く状況で、10番をバーディーとして記録を更新。14番で惜しくもボギーとなったが、85ホールの連続ノーボギー新記録も樹立した。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)によると、ホールバイホールの記録は90年以降しか残っておらず、同年以降での新記録達成となる。

◆国内女子ツアーの出産後の優勝 これまで森口祐子、樋口久子、木村敏美、山岡明美、塩谷育代の5人いる。出産後の初優勝は森口が89年4月、樋口が90年8月、木村が93年4月、山岡が94年5月、塩谷が01年5月。出産前に優勝経験がなかったのは山岡のみ。出産から復帰後、最初の優勝までは樋口の27試合目が最も早く、木村の43試合目が続く。出産後の勝利数では森口の11勝が最多で、木村の10勝が続く。最後の「ママさんV」は、木村が07年3月に挙げたアコーディア・レディース。今回の若林の優勝は14年ぶりとなる。