3季連続賞金王を目指す今平周吾(28=ダイヤ)が逆転で今季初勝利、ツアー通算5勝目を挙げた。首位の石川遼と3打差の3位から出て7バーディー、ノーボギーの64。通算12アンダー、272で2位に4打差をつけて快勝した。今年4月から、日刊スポーツで1年間のゴルフレッスンを行っており、その実力を結果でも示した。18勝目を狙った石川は、中盤に崩れ20代最後の大会を優勝で飾ることができなかった。

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ツアー17勝の石川との優勝争いでも、今平が見ていたのは同組でウエーティング(待機枠)で繰り上がり出場した池上だった。「同級生には負けたくない」。ジュニア時代からの知り合い。大会前の練習ラウンドも一緒に回った池上にだけは、負けられなかった。石川がスコアを落とす中、11番で池上と並んで首位に浮上。続く12番で連続バーディーを奪い抜け出した。14、15番でも連続バーディー。とどめとも思えた17番のバーディーで「優勝できるかな」と確信した。

19年に2年連続賞金王に輝き、3季連続を目指すシーズン前に筋力アップに取り組んだ。しかし、筋力増で、ショットの微妙な感覚が狂いだした。「単純に筋力アップして距離も伸びて短い番手で勝負できるとスコアも伸びると思っていた。でも、アイアンの精度が落ちて、いいスコアにならなかった」。ツアー4、5試合を消化したあたりで元に戻すことに決め、感覚が戻り調子が上向いたのは前週ぐらいからだった。

大会前の1日には、ダイヤゴルフのブランドを展開するダイヤ株式会社と所属契約を結んだ。スポンサーの期待に応えるように、最初の試合でいきなり優勝。「予選ラウンドでパープレーからのスタートだったので、契約した後に予選落ちしたら嫌だなと。所属契約した週に優勝できて恩返しができた」と喜んだ。

男子ゴルフ界屈指のショットメーカーが、その技術を披露したのが今大会最難関といわれる5番、535ヤードのパー4。2打目でグリーンオーバーし、ピンまで20ヤードのラフからチップインバーディー。この日ただ1人のバーディーが、2年連続賞金王の今平が復活した瞬間だった。難コースの富士桜を攻略し「ここで優勝できたので、シーズン3勝と3年連続賞金王を目指していきたい」と、高らかに宣言した。【桝田朗】

◆今平周吾の優勝クラブ 

▼1W=ヤマハ RMXプロトタイプ(シャフト=グラファイトデザイン ツアーAD PT6 ロフト角9・5度、硬さX、長さ44・75インチ)▼3W=ヤマハ RMXプロトタイプ(15度)▼5W=ヤマハ プロトタイプ(18度)▼3UT=タイトリスト 910H(21度)▼アイアン=4I~PW=ヤマハ RMX116ツアーブレード▼ウエッジ=タイトリスト ボーケイSM7(52度) ボーケイ(60度)▼パター=キャロウェイ オデッセイ ストロークラボ ブラックシリーズテン▼ボール=タイトリスト プロV1X

なお、今平は今季、ニッカンスポーツ・コムでアマチュアゴルファー向けに「今平周吾 賞金王の技」(https://www.nikkansports.com/sports/golf/column/imahira/)を開講中だ。