再び夢の舞台を目指す。男子ゴルフの石川遼(30=CASIO)が来季の米下部ツアー、コーンフェリーツアー参戦をかけた今秋の予選会にエントリーしたことが20日、分かった。10月19日からの2次予選会から出場見込みで、国内ツアー、ブリヂストン・オープン(10月7日開幕、千葉)後に渡米予定。10月12日時点の日本ツアーの賞金ランキングで5位以内に入れば2次予選会も免除されるため、現在同9位の石川は予選会までに残る国内3戦でのさらなる賞金獲得も狙う。

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16歳からプロとして戦い、約13年。今月で30歳の節目を迎えたが、米ツアーへの情熱はまだ消えていなかった。1度目は13年から参戦し、17年までプレー。同年限りでシード権を失い日本へ復帰したが、頭には常に「再挑戦」の3文字があった。20年3月からはスイング改造に着手し、飛距離と正確性を両立した「効率の良いスイング」を目指して調整を続けてきた。4月に同学年の松山英樹がマスターズを制した際も「自分もそっち側というか、世界にいきたいと思っている人間。それはもう刺激以上の、言葉に言い換えられない感情になりました」と語った。

1度目の米挑戦では飛距離の差を痛感した。「ロングゲームは長年課題にしているので、そこが良くならないと自分の場合は世界ではやっていけない」と昨オフは肉体改造にも取り組み、今年の開幕戦では太くなった二の腕を披露。今年6月の全米オープンでは45・5インチから2インチ伸ばした長尺ドライバーを導入。国内でも使用するなど、着々と準備は進めてきた。 関係者によると、石川は昨年の予選会参戦も視野に入れていたが、コロナ禍などで断念したという。コーンフェリーツアーは松山らのいる米PGAツアー参戦を目指す選手が戦う下部ツアーで、順調に結果を残せば最短で22-23年シーズンからPGAツアー参戦も可能。長く男子ゴルフ界をけん引してきたスターは、諦めることなく挑戦を続ける。

◆石川の米ツアー復帰への道のり 20年全米オープンの予選通過で1次予選会は免除に。出場を見据える2次予選会は5会場開催で、日本により近いカリフォルニア州ベアクリークGCで行われる予選会にエントリーした。2次予選、最終予選はともに4日間72ホールのストロークプレーで行う。来季のコーンフェリーツアーは22年1月から9月までに26試合の開催を予定している。

◆米ツアーでの石川 1度目は21歳だった13年から参戦。同年のシュライナーズホスピタル・オープンで2位に入るなど健闘したが、その後は腰痛で長期離脱したことなども影響し、思うような結果が残せず17年夏にシード権を喪失。18年は出場権のある下部ツアーから返り咲きを狙う選択肢もあったが「両方とも中途半端になってしまうことが嫌」と国内復帰を決断。米ツアーでは2度の2位が最高で未勝利となっている。