プロも含めてツアー屈指の飛距離を誇るアマチュア河本力(21=日体大4年)が2イーグルを奪い、6アンダー、66をマーク、首位と1打差2位発進した。女子プロ河本結の弟で、昨年10月日本オープンは5位でローアマを獲得。来年のプロデビューへ、11月30日開幕のサードQTから受験予定の大器が、優勝戦線に顔を出した。賞金ランク2位木下稜介(30)が7アンダーで首位に立った。

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ゴルフは飛んだ方がいい。9月セガサミーカップ予選ラウンドのドライビング・ディスタンスは318・5ヤードで2位-。破格の飛ばし屋・河本が2つのパー5でイーグルを奪った。586ヤードの5番は残り250ヤードの第2打を3番アイアンでピン左前13メートルに乗せ、ロングパットをねじ込んだ。484ヤードの12番は第1打を残り168ヤード地点まで運び、8番アイアンでベタピン50センチにつけた。

「目標は4アンダーだったんで、クリアできたのは本当に良かったです」。

飛距離は幸運も呼んだ。577ヤードの16番パー5。豪快に左に曲げたが、OBゾーンを数ヤード越えた。第2打は狭い木の間を縫い、低い球でフェアウエーまで好リカバリーで出して、ナイス・パー。暫定球は右の林方向に打ち込んでいたため、OBならダブルボギーのリスクが高かった。

今年からドロー1本の球筋に加え、フェードの習得にも取り組んできたが、バランスを崩してスランプに陥った。松山英樹が契約する目沢秀憲コーチに師事しているが、同コーチが渡米中のため、1カ月前から再び独力でドロー1本に戻した。「4日前までは調子が悪かった。アイアンがどっちに飛び出すかわからない時期もあった。でも、それを自分の考えだけで修正できた。成長できてるのかな、という実感があります」と満足そうだ。

今後のツアー競技では10月14日開幕の日本オープン出場する。ただ、より大きな目標は11月30日から始まるサードQT。「どの試合も大事ですが、来年からプロと思っているので、やっぱりQTは大事です」。今大会でアマチュア優勝すればQTなしでプロ転向できる。「それはすっごい理想ですけど、可能性が低いです」。残り3日。1日4アンダーを目標に、目の前のボールを見つめていく。【加藤裕一】