日本ゴルフ界屈指の飛ばし屋アマチュア河本力(21=日体大4年)がツアー自己ベストの9アンダー、63の猛チャージで首位と6打差23位から、1打差4位に急浮上した。

「ティーショットが良かったので、後はウエッジの縦の距離感だけでした」。12番でイーグル、1番から5連続のロケットダッシュを含む7バーディーを量産した1日を上機嫌で振り返った。

大逆襲だ。前日24日、その時点でトップの通算8アンダーで迎えた16番パー5で第2打をOB、暫定球をロストする「9」を打って大失速。プレー後、世話になっているレジェンド中嶋常幸、師事する目沢秀憲コーチに電話をかけ、助言と激励をもらった。女子プロの姉、結からはかかってきて「あんた、9って何やってんの!」と気合を入れられた。

一夜明けでの16番で、リベンジのバーディーを奪った。ドライバーを持たず、2番アイアンで手堅くフェアウエーをキープ。第2打はガードバンカーに入れたが、第3打をピン3メートルのチャンスにつけた。「16番は絶対にパーを取るつもりでした。パーしか狙ってなかった。バーディーなんて最高です」としてやったりだ。

首位と1打差の最終日。同じくツアー史上5人目のアマチュア優勝をかけ、中島と同組で回る。前日、一緒にスーパー銭湯に出掛けた大学の後輩を「同じ大学にあんな強い選手がいる」と誇らしく思う。世界アマチュアランクは1位の中島に対し、自分は73位。それだけにリスペクトは強い。「優勝はしたいですけど、そんな簡単じゃない。目標は1日4アンダー、あ、あと16番以外のパー5でバーディーを取ること」。ツアー出場18戦目。昨年の日本オープンは5位でローアマに輝いた。謙虚さばかりを強調するが、優勝は手の届く場所にある。