大会初制覇を目指す渋野日向子(22=サントリー)が7バーディー、4ボギーの68で4位につけ、首位に2打差の好発進を決めた。同組だった今季平均飛距離トップの原英莉花にも負けず劣らずの飛距離で戦い、パー5では2度2オンに成功してバーディーを量産。ギャラリーの大歓声にも後押しされながら一時は首位に浮上するなど健闘し、約2年ぶりのツアー優勝へ向けても最高のスタートを切った。首位には66で回った上田桃子が立った。

  ◇  ◇  ◇

渋野にとって納得のゴルフだった。出だしの1番はボギーも、3番の2・5メートルを沈めた初バーディーを皮切りに前半は3つ伸ばした。後半は12番から3連続バーディーを奪い、一時は5アンダーで首位の上田に並んだ。終盤に落として4位となったが「上がりがすごく悔しいですけど、大きなミスはなかった。だいぶかみ合ってきたかなと思います」とうなずいた。

ツアー屈指の難コースで、最後まで振り切った。「あんまり曲がらないと思えるようになったからこそ、思い切って振れている」。昨年末からスイング改造に取り組み、春先は飛距離が落ちていたが徐々に復活。「最近の中では平均して今日が一番飛んでいた」と序盤からドライバー、ウッドで強振を続け、同組の今季平均飛距離1位の原にも負けないショットを次々と披露。5番と14番のパー5は2オンからのバーディーだった。

まだまだ改善の余地はあるというが、7バーディーは今年の1ラウンド最多。5年前に同コースで行われた日本女子オープンでは通算18オーバーで予選落ちしたが、成長を示した。ボギーとした終盤2ホールについても「許容範囲内です」と余裕をみせ、「5年の月日で少し大人になれたかな」と笑った。

今大会は5000人上限の有観客開催。予選は原と稲見と同じの注目組で、ギャラリーからはバーディーをとる度に大歓声を受けた。「(日本で)あれだけの方に見てもらうのはほぼ2年ぶりなので結構緊張した」と明かしつつ、「これがあるべき女子プロゴルフの試合なのかなと。みなさんの後押しがあったからだし、自分の気持ちをコントロールして目の前の1打に集中してやれていたと思う」。絶えない注目も力に変え、約2年ぶりのツアー優勝へと突き進む。【松尾幸之介】