首位から出た勝みなみ(23=明治安田生命)が悲願の国内メジャー初制覇を果たした。6バーディー、1ボギーの66と伸ばし、通算14アンダー、270。2位に6打差をつける圧勝で、今季2勝目、通算6勝目を挙げた。日本ジュニア、日本女子アマ優勝、日本女子オープンローアマに続く日本女子オープン制覇。宮里藍、諸見里しのぶに続く史上3人目の日本タイトル4冠も達成した。賞金3000万円と国内ツアーの3年シード権も獲得し、目標とする米ツアー挑戦に弾みをつけた。

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2位に6打差をつけて迎えた17番。勝利を確信したファンの「優勝おめでとう」という声が勝の耳に入った。思いが込み上げ「泣きそうでやばかったです」。5年前に同会場で行われた大会は12オーバーで予選落ち。今回は難しいセッティングの中、ただ1人4日間全てを60台で回る圧勝になった。「本当に成長した自分が見られた1日でした」。笑顔は晴れやかだった。

前半は1打差で追う、同組の西郷とのマッチレース。ショットが不安定だった出だしの1番で3メートル、2番で4メートルのパーパットを沈めるなどピンチを脱し「イメージ通りに入って、今日いけるかもと思った」。後半の12番で西郷が初ボギーで後退すると、直後の13、14番で連続バーディー。突き放して勝負を決めた。

今大会の優勝で国内ツアー3年シード権も獲得。使用期間が自由に決められるため、米ツアー挑戦を見据える上では欲しい権利だった。昨年から取り組むトレーニングでドライバーは20ヤード、アイアンは10ヤードほど飛距離が伸び、米ツアーでも「やっていける」と確信。今年は登録期間に間に合わなかったが、来年の米ツアー予選会(QT)を目指す考えを改めて口にし「世界ランキング75位以内に入れば最終QTからでもいける」と力を込めた。

宮里藍、諸見里しのぶ以来となる日本ジュニア、日本女子アマ、日本女子オープンローアマに続く史上3人目の4冠も達成。特に米ツアーでも実績を残した宮里には幼い頃から影響を受けており「ずっと目標で、この人みたいになりたいと思っていた」。憧れのスターに並び「すごくうれしいです」と喜んだ。

15歳で史上最年少優勝を果たすなど、渋野ら98年度生まれの「黄金世代」をけん引してきた。今季残り8戦でのさらなる勝利にも意欲をみせ「最高で年間2勝なので、まずはあと1勝できるように切り替えて頑張りたい」。今や世代だけでなく、女子ゴルフ界を代表する存在に。向上心を絶やさず、勝はこれからも戦い続ける。【松尾幸之介】

<勝みなみの優勝クラブ>

▼1W=ダンロップスリクソン ZX7(シャフト=三菱ケミカル ディアマナ ロフト9・5度、長さ45・25インチ)▼3W=ダンロップスリクソン ZX(15度)▼5W=ダンロップスリクソン ZX(18度)▼4番ユーティリティー=ダンロップスリクソンZX(22度)▼5I=ダンロップスリクソン ZX5▼6I~PW=ダンロップスリクソン ZX7▼ウエッジ=クリーブランド RTX ZIPCORE(50度、54度、58度)▼パター=オデッセイ オーワークス♯1▼ボール=ダンロップスリクソン Z-STAR XV7

◆日本ゴルフ協会(JGA)主催大会 通常、国内女子ツアーは日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公認大会が大半を占めるが、日本女子オープンはJGAが主催する年間唯一の公式競技で、4つある国内メジャーの1つ。JGAは日本ジュニア、日本女子アマも主催している。

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