松山英樹(29=LEXUS)が4月のマスターズ以来、米ツアー通算7勝目を挙げた。1打差をつけた首位で出ると、一時はトリンゲール(米国)に逆転を許したが、13番で再び単独首位に立つ。その後は首位を譲らず、最終18番はイーグルで締めるとガッツポーズ。通算15アンダーで優勝を決めた。


日本で米ツアー7勝目を果たし、トロフィーを手に笑顔で写真に納まる松山(撮影・河田真司)
日本で米ツアー7勝目を果たし、トロフィーを手に笑顔で写真に納まる松山(撮影・河田真司)
日本で米ツアー7勝目を果たし、優勝スピーチで笑顔を見せる松山(撮影・河田真司)
日本で米ツアー7勝目を果たし、優勝スピーチで笑顔を見せる松山(撮影・河田真司)
表彰式でJGTO青木会長(右)とグータッチを交わす松山(撮影・河田真司)
表彰式でJGTO青木会長(右)とグータッチを交わす松山(撮影・河田真司)

最終日 アウト3279ヤード=パー34 イン3762ヤード=パー36


ホール
パ ー34
松 山33


ホール101112131415161718
パ ー36
松 山32

※・はパー、○はバーディー、◎はイーグル、△はボギー、□はダブルボギー


10番376ヤード、パー4

ティーショットはフェアウエー。第2打はピン手前4メートル。バーディーパットはカップをオーバー。返しのパットを決めてパー。トリンゲールが連続バーディーで単独首位に浮上。松山は2日ぶりに2位に後退

10番、エネルギー補給する松山(撮影・河田真司)
10番、エネルギー補給する松山(撮影・河田真司)

11番486ヤード、パー4

ティーショットはフェアウエー左サイド。第2打はピン左10メートル。長いバーディーパットを決めて右手でガッツポーズ。トリンゲールに譲っていた首位に再び追い付く12アンダー。早藤キャディーとグータッチ。12番のティーグラウンドに移動する間、観衆から「ナイスバーディー」の声が次々と飛ぶ。

11番、バーディーを決めガッツポーズする松山(撮影・河田真司)
11番、バーディーを決めガッツポーズする松山(撮影・河田真司)

12番490ヤード、パー4

ティーショットはフェアウエー左サイド。第2打はピン右手前6メートル。バーディーパットは30センチ届かず、パー。トリンゲールもパーで首位並走。

12番、笑顔を見せる松山(撮影・河田真司)
12番、笑顔を見せる松山(撮影・河田真司)

13番141ヤード、パー3

ティーショットをピン右奥2・5メートルのチャンスにつける。やや下りのバーディーパットは、カップ手前で止まりかけるが、観衆からの「入れーっ!」の大歓声に後押しされたように、最後の一転がりでカップイン。トリンゲールはパー。13アンダーとした松山が再び単独首位

13番、バーディーを決める松山(撮影・河田真司)
13番、バーディーを決める松山(撮影・河田真司)

14番608ヤード、パー5

ティーショットはフェアウエー中央。3人の中で最も飛距離が飛んでおり、唯一、2オン狙い。その第2打は、グリーンにわずかに届かずラフ。ウエッジの第3打を1・5メートルにつけたが、バーディーパットは、わずかにカップ右を通過。返しのパットを決めてパー。トリンゲールも3メートルのバーディーバットを外し、パターを空中に放り投げて1回転させてキャッチし、天を仰ぐ。松山は変わらず、トリンゲールを1打リードして首位。

15番425ヤード、パー4

ティーショットは左ラフ。第2打はピン右奥4メートル。やや下りのバーディーパットを決めてバーディー。トリンゲールとの差を2打に広げる

15番、ティーショットを放つ松山(撮影・河田真司)
15番、ティーショットを放つ松山(撮影・河田真司)

16番183ヤード、パー3

ティーショットはピン左8メートル。バーディーバットはカップ脇を抜けて70センチオーバー。返しのパットを決めてパー。トリンゲールもパー。残り2ホールで2位とは2打差。

17番491ヤード、パー4

ティーショットは右ラフ。第2打はグリーンをとらえられず、グリーン左奥のラフへ。第3打のアプローチはピンを2メートル弱オーバー。少し苦い表情を見せる。このホールは3人ともパーオンせず、ムニョス、トリンゲールと立て続けにパーパットを外す。パーパット3人目の松山も決められずボギー。13アンダーに後退したが、トリンゲールもボギーで、2打差は変わらず。残り1ホール

17番、第2打を放つ松山(撮影・河田真司)
17番、第2打を放つ松山(撮影・河田真司)

18番562ヤード、パー5

ティーショットはフェアウエー中央。2オンに成功し、ピン奥4メートル。対照的に2打差の2位トリンゲールは、右ラフからの第2打を崖下に落とし、事実上勝負あり。トリンゲールがボギーでホールアウトしたのを見届けてから放ったイーグルパットを決めて両手を突き上げ、その後、右手でガッツポーズ

通算15アンダー、265で4月のマスターズ以来となる米ツアー通算7勝目を挙げた

18番、イーグルパットを決め、ガッツポーズで優勝を決める松山(撮影・河田真司)
18番、イーグルパットを決め、ガッツポーズで優勝を決める松山(撮影・河田真司)

ラウンド前

快晴で温暖、風もほとんど吹かない中、松山は勝負色の黄色の半袖ポロシャツ姿で登場。2位のトリンゲール(米国)、3位のムニョス(コロンビア)と同組。ティーグラウンドには日本ゴルフツアー機構の青木功会長も姿を見せる。

最終ラウンドスタート前、調整する松山(撮影・河田真司)
最終ラウンドスタート前、調整する松山(撮影・河田真司)

1番405ヤード、パー4

大勢のギャラリーに見守られながらのティーショットは、フェアウエー右サイド。第2打をピン奥3メートルにつけたが、下りのバーディーパットは、わずかにカップ脇を抜けてパー発進。

1番、パーセーブする松山(撮影・河田真司)
1番、パーセーブする松山(撮影・河田真司)

2番363ヤード、パー4

ティーショットはフェアウエー。第2打は、わずかにグリーンを外し、ピン手前9メートル。パターで打った第3打は、20センチカップに届かずパー。2位トリンゲールも連続パーで1打差は変わらず。

2番、ティーショットを放つ松山(撮影・河田真司)
2番、ティーショットを放つ松山(撮影・河田真司)
2番、気温が上がりセーターを脱ぐ松山(撮影・河田真司)
2番、気温が上がりセーターを脱ぐ松山(撮影・河田真司)

3番180ヤード、パー3

ティーショットはピン右手前7メートル。上りのバーディーパットは、距離感はピタリと合うも、わずかに左。タップインパー。スタート時点と変わらず2位と1打差、10アンダーの首位。

3番、パットを外し悔しい表情の松山(撮影・河田真司)
3番、パットを外し悔しい表情の松山(撮影・河田真司)

4番505ヤード、パー4

ティーショットは右ラフ。第2打をピン左奥6メートルにつける。下りのバーディーパットは、わずかに右に切れ、バーディーならず。タップインで4連続パーも、パットの距離感は安定している。

ギャラリーの拍手の中移動する松山(撮影・河田真司)
ギャラリーの拍手の中移動する松山(撮影・河田真司)

5番191ヤード、パー3

ティーショットはピン奥10メートル。下りのバーディーパットは、先に、ほぼ同じ位置から打って外したトリンゲールのバーディーパットを参考にするも、この日初めて距離感をわずかに狂わせた。それでも手前1メートル。これを決めてパー。

5番、橋を渡り移動する松山(撮影・河田真司)
5番、橋を渡り移動する松山(撮影・河田真司)

6番587ヤード、パー5

ティーショットはフェアウエー。2オンに成功。ピン左10メートルからのパットを決めてイーグル。右手を握りしめ、今大会初めてガッツポーズを見せる。12アンダーとし、優勝を引き寄せる

6番、ティーショットを放つ松山(撮影・河田真司)
6番、ティーショットを放つ松山(撮影・河田真司)
6番、第2打を放ち、笑顔で移動する松山(撮影・河田真司)
6番、第2打を放ち、笑顔で移動する松山(撮影・河田真司)
6番、イーグルパットを決めガッツポーズする松山(撮影・河田真司)
6番、イーグルパットを決めガッツポーズする松山(撮影・河田真司)

7番167ヤード、パー3

ティーショットはピン手前5メートル。上りのバーディーパットは、わずかにカップに届かず、タップインパー。6番終了時点と変わらず12アンダーで、トリンゲール、さらには順位を上げたスティールの2位2人とは2打差。

8番395ヤード、パー4

ティーショットはフェアウエー中央。同組2人よりも、飛距離も出ている。第2打はピン右手前7メートル。バーディーパットは1・5メートルオーバー。返しのパーパットがカップ左を通過し、痛恨の3パットボギー。このホールをパーとしたトリンゲールら2位との差は1打に縮まる。

8番、ラインを読む松山(撮影・河田真司)
8番、ラインを読む松山(撮影・河田真司)

9番486ヤード、パー4

ティーショットは右ラフ。第2打はグリーンに着弾も、奥にこぼれる。ピンまで15ヤードのラフから、第3打のアプローチを寄せてパー。トリンゲールがバーディーを奪い、通算11アンダーで並んで後半に突入した

9番、ティーショットを放つ松山(撮影・河田真司)
9番、ティーショットを放つ松山(撮影・河田真司)

◆日本開催の米ツアー 男女ともに1試合ずつ行われている。男子は19年から6年契約でZOZOチャンピオンシップを開催。今回と同じ習志野CCで行われた第1回大会は、タイガー・ウッズ(米国)が優勝、松山が2位となり盛り上がった。第2回の昨年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で米カリフォルニア州で開催、パトリック・カントレー(米国)が優勝した。女子はTOTOジャパン・クラシックを滋賀・瀬田GCで例年11月に開催。だが昨年に続き今年も、コロナ禍で米女子ツアーメンバーの来日は困難との判断で、国内ツアーの1試合として実施予定。日本女子プロゴルフ協会と共催の19年大会までも、ZOZOチャンピオンシップも、日本人選手が多く推薦出場する。

松山英樹(2021年10月23日撮影)
松山英樹(2021年10月23日撮影)