福村香名(33)大村美咲(29)組がプレーオフ(PO)の末、大会2連覇を飾った。最終18番で福村が4メートルのパーパットを決め、6バーディー、4ボギーの70。西下裕美・宮本奈知組と並んで突入したPO1ホール目も福村が15メートルをねじ込むスーパーパットでバーディー、大村はパーセーブし、ともにパーだった西下・宮本組を1打差で破った。結成1年で「無敗」のコンビは「来年はノーボギーで」とV3を誓った。

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福村の“鬼パット”が連覇を呼び込んだ。最終18番。同組の藤原・紙本がバーディーで締め、71とした後のパーパット。大会形式でPOがあると知らず「外したらカウントバックで負ける」と思った福村が下り4メートルのスライスラインを放り込み、70とした。

ホールアウト後もPOがないと思い込み、福村・大村組は帰り支度にいそしんでいた。ところが、西下・宮本組が70で慌てて再び臨戦態勢へ。ドタバタで迎えたPO1ホール目の10番パー4。福村が今度はグリーン奥エッジから15メートルのバーディーパットをねじ込み、勝負を決めた。

2人ともPOは初めてだった。「ティーショットは緊張して手が震えてた」と初々しく口をそろえたが、実績はとんでもない。福村は今年の関西ミッド(25歳以上)日本ミッドともに2位。「シルバーコレクターです」という苦笑いもトップアマレベルの話だ。相棒の大村も「今日は全然ダメ。福村さんのおかげ。パットがヤバすぎでした」というが、19年関西ミッドで福村を2位に抑えて優勝した。小さな体で240ヤードをかっ飛ばす。

昨年大会前のコンビ結成から1年。「私らダブルスでは無敗です」。目標は大会3連覇。昨年優勝時に“公約”したノーボギー優勝を来年こそ成し遂げるつもりだ。【加藤裕一】

○…西下・宮本組は2年連続の2位で、昨年大会に続いてまたも福村・大村組に及ばなかった。レギュラーラウンドは3バーディー、1ボギーの70と内容的に優勝ペアよりステディーで、POもともにパーでまとめた。POで第2打を4人中最もピンに近い左前7メートルにつけた宮本は「パーをとれた。十分です」。今春のシニアダブルス優勝者でもある西下は「2人でパーを続けようと話していました。一筋違いで逃したバーディーが何個かあって…」と残念そうだった。

◆福村香名(ふくむら・かな)1988年(昭63)5月12日、神戸市生まれ。中、高校はソフトボール、ゴルフは大学から。ドライバー飛距離230ヤード。ハンディ0。162センチ。

◆大村美咲(おおむら・みさき)1992年(平4)6月9日、山口県萩市生まれ。ゴルフは9歳から。ドライバー飛距離240ヤード。ハンディ0。152センチ。

<主催>日刊スポーツ<後援>関西ゴルフ連盟<協賛>ブリヂストンスポーツ<協力>美奈木ゴルフ倶楽部