渋野日向子(23=サントリー)が、米ツアー最終予選会(Qシリーズ)前の“国内最終戦”を通算9アンダー、12位で終えた。かつて岡山で自分が通ったゴルフスクールの“ちびっこ応援団”を前に、5バーディー、2ボギーの68。アンダーパーで締めくくった。

かわいい声援が力をくれた。3番で最初のバーディーを奪うと、4番ティーグラウンドの前で4、5人の子どもたちが「ナイスバーディー!」と出迎えてくれた。「むちゃくちゃありがたかったです。ちびっこが早起きして。“いいとこ見せたい”と思ったけど、恥ずかしいとこいっぱい見せて。ボギー打っても“がんばれ”と言って、チョコチョコついてきてくれて」。松山市のスイーツを尋ねられて「あそこはイチゴの乗ったやつがオススメで…」と笑顔で説明したり、まるで遠足の小学生を引率する先生のようだった。

国内の20-21年シーズンを締めくくった。「1年半でゴルフも気持ちもがらっと変わった。2、3カ月の海外遠征を2回して、自分に足りないものも見つけて、スイング改造も初めて、2勝できて…」と振り返った。試行錯誤を重ねた成果は感じる。「ちょっとずつ“大人のゴルフ”ができてきたかなと思うけど、要所で悔いが残ることもいっぱいあった。スイングの完成度は再現性とか考えたら、半分以下です」としながら「ゴルフを理解したいという気持ちは強くなりました。以前はイケイケドンドン。今はバカなりに考えながら、マネジメントをしてる」と話した。

来季米ツアー参戦をかけた予選会は、米アラバマ州のロバート・トレント・ジョーンズゴルフトレイルで12月2~5日と9~12日に計8ラウンド、計3コースを使って行われる。「約2週間後だけど、日に日に緊張感は増してます」。今後のゴルフ人生を左右する舞台。この日「伸びしろはまだまだある」というセリフを何度も使った23歳の新たな挑戦が始まる。