首位と10打差の25位から出た、賞金ランキング1位の稲見萌寧(22=都築電気)は、2バーディー、2ボギーの72と伸ばせず、通算2オーバー、146でホールアウトした。ホールアウト時点で、首位との差は8打に縮まったが、順位は変わらず25位となっている。今季最終戦の今大会開始時点で、獲得賞金で約1697万円リードしていた古江彩佳は、首位から出て8ホールを終えて3つ落とし、5アンダーで4位に後退している。今大会で古江が単独2位以上にならなければ、稲見が初の賞金女王となる。

前半は2番パー5でバーディーを先行させた。フェアウエーからの第3打をピン手前4メートルにつけて伸ばした。だが5番パー3で、ティーショットをグリーンに乗せられず、右手前のラフへ。ピンまで約10ヤードの第2打のアプローチを、2・5メートルオーバーさせると、パーパットを外して首をかしげた。

その後は8ホール連続パーで耐え続けたが、14番パー4でティーショットを右に曲げて林に打ち込み、ボギーが先行した。それでも17番パー4で、残り59ヤードからの第2打を1メートルにつけて2つ目のバーディーを奪い、伸ばすことこそできなかったが、落とすこともなく、賞金女王への意地をのぞかせた。

ホールアウト後は「今日もショットがうまくいかなくて、チャンスにもつかなかった」と、反省の弁が口をついた。ドライバーの飛距離も落ちていた自覚があり「今日はメチャクチャ飛んでいなかった。曲がるから振れない、というのはある。(芯に)当たっていなくて弱い球」と、悪循環に陥っている感覚を打ち明けた。

第3ラウンド以降に向けては「ショットが何とか、狙ったところにそこそこ行ってくれれば」と、持ち前のショットの正確性を早期に修正したい考えだ。「でも、アプローチはそこまですごく悪かったわけではない。その辺が、まだマシかな」と、光明が見え始めている。今大会は自身と古江の順位次第で、賞金女王の行方が左右されるが「調子があまり良くないので、そのことよりも自分のショットを何とか少しでも立て直して、なるべくチャンスにつくように、ということしか考えていない」と話した。それでも、うつむくことなく、終始はっきりと前を向いて話していた。