米女子ツアーの22年シーズン出場権を懸けた最終予選会が開幕し、渋野日向子(23=サントリー)はフォールズコースを回り、2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73で81位と出遅れた。

古江彩佳(21=富士通)はクロッシングズコースを6バーディー、3ボギーの69で回り、首位と3打差の14位となった。最終予選会は12日まで8ラウンドで行われ、45位までが来季出場資格を得る。

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1番、4番とバーディーを先行させた渋野に落とし穴が待っていた。7番(400ヤード、パー4)。第2打がグリーンを越え、ボールは向こう側のペナルティーエリアのブッシュへ。1罰打でドロップから打ち直すアクシデントに見舞われ、ダブルボギーとなった。

「流れを崩すダブルボギーを打った瞬間からなかなか、切り替えようにも切り替えにくい状態になった」。パットに苦しみ、後半は何度もあったバーディーチャンスを生かせず。12番で10メートルを超えるパットをねじ込んだ場面以外は、見せ場をつくれなかった。

入らなかった。表情こそ淡々としていた渋野だが内心イライラ。グリーンの微妙なラインを読み切れず、「もう怒りまくっていたけれど、なんとかそれを抑えようと。連続でダボとかボギーをたたかないようにと気をつけてやっていた」。ただ12番のスーパーパーセーブには「もうラッキー。適当に打った感じだったので、こんなんでいいのかな」と目尻を下げた。

大会前には公式サイトの記事でも特集された。19年にメジャーのAIG全英女子オープンを制し、2年間のツアーメンバーの権利を得ながら放棄。なぜ今になって? と言わんばかりに注目されている。だが渋野なりの考えがあっての遠回り。この2年で技術的にも肉体的にも成長した。

81位と出遅れたが、まだ8分の1にすぎない。「今日のコースを明日リベンジできないのは残念だけど、また3日目、4日目のどちらかで回れるので。明日は明日で最後までがんばりたい」。ポジティブな渋野らしく巻き返しを誓った。