松山英樹(29=LEXUS)が、逆転でツアー通算8勝目を挙げ、アジア人最多優勝数に並んだ。首位のラッセル・ヘンリー(米国)に2打差の2位で出て、7バーディー、ボギーなしの63をマーク。最終18番をバーディーとし、通算23アンダー、257でヘンリーに追いついた。同じ18番でのプレーオフ1ホール目ではイーグルを奪い、貫禄勝ちした。今季2勝目は、青木功(79)が最終18番で逆転した前身の83年大会以来の日本人Vとなった。

【一問一答】松山英樹 プレーオフ第2打「完璧なショットが打てた」

プレーオフ1ホール目の18番パー5。松山の第2打はピン右80センチにつけるスーパーショットだった。重圧をかけて、ヘンリーの4オン2パットのボギーを誘った。ウイニングパットを沈めてイーグル締め。キャディーと抱き合い、喜びを分かち合った。完ぺきという第2打は残り277ヤードから3番ウッドを振り抜いた。強い逆光で行方が見えず「歓声でいい所にいったと思った。球筋が見えていたら記憶に残るんでしょうけど、まったく見えていないんで、記憶にも何も残らないですね」と笑った。

一時は首位と5打差まで開いたが、「いいプレーをすれば、チャンスが巡ってくる」と的確な判断で勝利を引き寄せた。ヘンリーに1打差まで迫った正規の最終18番。左ドッグレッグのコースで、逆転へ果敢にイーグルを狙いにいった。第1打でドライバーを握り、ティーグラウンド右端いっぱいから強振。「ラッセルはバーディーを取ると思っていた。イーグルが欲しかった」。338ヤードのビッグドライブでショートカットに成功。2オンからバーディーを奪い、パーだったヘンリーに追いついた。プレーオフでは、相手の第1打のミスを見逃さず、今度は確実にバーディーをとる作戦。第1打は5番ウッドに持ち替え、圧倒した。

予選落ち3回と苦手意識があったコースを攻略し、ツアー通算8勝目。崔京周(韓国)のアジア人最多優勝数に並んだ。今季2勝目で、16日付世界ランキングは19位から18年6月以来のトップ10となる10位に浮上した。「ZOZOの後(記録まで)1勝だと思っていた。苦手な部類のコースでまさか勝てると思っていなかったので、すごくうれしい。今晩はたくさんお酒を飲みます」。日本男子が米ツアー初優勝を果たしたコースで節目の勝利。アジアNO・1の実力を示し、声を弾ませた。