小祝さくら(24=ニトリ)が逃げ切りで今季初勝利を飾った。2バーディー、1ボギーの71で回り、通算17アンダー、271。昨年8月CATレディース以来、約9カ月ぶりの通算7勝目を挙げた。余韻に浸る間もなく、6月2日開幕の全米女子オープンに向けて渡米する。菅沼菜々とサイ・ペイインが2打差の2位。ツアールーキーの桑木志帆が3打差で4位に入った。

13番パー4。小祝は7メートルのバーディーパットを決めて再び単独首位に立った。「あれが大きかった」。サイらの追走を振り切った。「今日はパットが全然ダメダメ。思い通りにいかず、すごく長く感じた1日でした」。2打差の2位で出たサイに3回並ばれた。「耐える感じでした。3日目に伸ばせたのが優勝へのカギ」。貯金に助けられた。

昨年からショットに悩み、危機感からコーチも球筋も変えた。コーチはネットで探した。球筋はドローだったが、今季はフェードを主体にした。先週のブリヂストン・レディースは予選落ち。直後に兵庫県在住の吉田直樹コーチを訪問。「ドローがきつくなっている」と指摘された。コーチの助言から、フェードのイメージでショットを打つことを徹底した。

最終日のフェアウエーキープ率は100%。大きな挑戦の成果が着実に表れている。9カ月ぶりの優勝は「意外と長くなかった」とした。「逆に頑張って早く勝てた方。コーチやスイングを変えていたので、そううまくはいかないだろうと思っていました」。

生涯獲得賞金は98年度生まれの黄金世代初の4億円を突破。同世代では稼ぎ頭になっている。一方、賞金の使い道は派手ではない。「優勝したら買うと決めていた『ケアベア』のぬいぐるみ10体をネット注文します。全部欲しくて。何万もするので」。大好きなぬいぐるみの爆買いと明かした。

優勝翌日に渡米も「明日行く実感がない」。20年は予選落ち。「まずは予選通過が目標。あとはそれから考えたい」。強行軍に焦りはない。ほんわか口調でリベンジを誓った。【近藤由美子】