ルーキーの佐藤心結(みゆ、18=ニトリ)が、大会コースレコードにあと1打と迫る64をマークし単独首位で発進した。1イーグル、7バーディー、1ボギー。10番スタートの前半は13番でボギー先行。「イーブンで折り返せたら」と気合を入れ直し、15番、17番の2つのバーディー。後半最初の1番パー5では、残り225ヤードを第2打で2オン。ピン手前4メートルのイーグルパットを沈めると、そこから「ゾーン」に入った。

2番パー4で12メートルのバーディーパットが入る。3番パー3では8メートルをねじ込んだ。5番パー4ではアプローチをピン横1メートルにつけ連続バーディー。7番、8番も連続バーディー。9番で惜しいバーディーパットを外したが、ホールアウトまで自分のスコアさえ認識していなかった。「ゾーンに入るって、こういうことだなって感じ。今までにない感覚。ここまでゾーンに入れたのは初めて」と不思議な感覚が沸き上がってきた。

アマ(茨城・明秀学園日立高3年)で出場した昨年のスタンレー・レディースで最終日首位に立ち、プレーオフに進出。渋野日向子に敗れたが2位に入った。その年の11月のプロテストに合格。今季はシーズン前の予選会で11位に入り、前半戦の出場資格を得たが、前週まで15試合で8戦は予選落ち。「食事をしても味がしない」くらい落ち込んだ。

得意のドライバーの飛距離を武器に攻めるゴルフを見直した。飛ばして苦手な20~30ヤードのアプローチを残さないようマネジメントを変えた。メンタル面でも「すべてポジティブに考える。どんなに悪くても、悪いところを探すのではなく良かったところに自信を持つように考えた」という。

富士フイルム・スタジオアリス女子からブリヂストン・レディースまで7戦連続予選落ち。そのブリヂストン・レディースの週に宮里藍に不振からの脱出法を相談。「魔法はないよ」と言われた言葉が転機になった。「攻めと守りをはっきりさせる。中途半端なことはしない」と気持ちを切り替え、予選落ちこそしたが、同大会の第2日に69を出したことが復活への足掛かりになった。

その後は3戦連続予選通過と調子を上向いてきた。そして、「自己ベストを2打更新です」というビッグスコアが飛び出した。後半戦の出場権がかかるリランキングは7月7日~10日のニッポンハム・レディース。今大会を入れて3試合で決まる。「これからの1試合1試合が大切になる。ここまで来たら優勝を目指した」と決意を口にした。

◆佐藤心結(さとう・みゆ)2003年(平15)7月21日生まれ、神奈川県出身。7歳でゴルフを始め、中学時代は陸上部で砲丸投げも経験。同年11月のプロテストに合格し、QT11位で、今季前半の出場権を獲得した。161センチ、57キロ。