岩井明愛(20=Honda)が、逆転でツアー初優勝を飾った。首位と1打差の2位から出て2バーディー、2ボギーの72で回り、通算7アンダー、209。首位から出た申ジエ(韓国)を逆転した。昨季2勝した妹の千怜に続く優勝。姉妹での優勝は福嶋晃子&浩子、堀奈津佳&琴音に続いて3組目で、双子姉妹がそろって優勝は、ツアー史上初の快挙となった。

我慢の展開だった。前半は6番パー4で、第2打を3メートルにつけてバーディーが先行。8アンダーで申と並ぶ首位に立った。だが7、8番を連続ボギー。8番で伸ばした申とは一気に3打差へと開き、そのまま折り返した。

それでも後半出だしの10番パー4で2つ目のバーディーを奪うと、じわじわと同組の申にプレッシャーをかける形となった。各選手とも伸ばしたいパー5の11番で、申が痛恨のダブルボギー。一気に7アンダーで並んだ。さらに申は13番もボギーとすると、ついに岩井明が単独首位に立った。その後、穴井詩、野沢真央が6アンダーでホールアウト。1つでもスコアを落とせばプレーオフとなる重圧の中、手堅くパーを並べ、優勝の瞬間、両手でガッツポーズつくって喜びを爆発させた。

さらに、同組選手や駆け寄ってきた妹の千怜らから、抱き合って祝福されると涙が止まらなくなった。優勝インタビューでも「雨や風で天候は大変だったけど、ゴルフファンの方がいて、チームのみんなもいて、応援してもらったので勝てたと思います」と、途中、何度も涙で声を詰まらせながら話した。

ただ優勝会見では笑顔が全開だった。開口一番「ホッとしているのとうれしい気持ち」と話し、笑みをこぼした。妹が先に2勝を挙げていたため「今年は勝ちたかった。周りからも『早く優勝して』と言われていた」と、知人やファンからの期待が高まっていた中で、それに応える優勝となった。

妹の千怜は昨季、ツアー史上3人目となる、初優勝から2週連続優勝を飾った。妹に続き、次週のフジサンケイ・レディースで明愛は、史上4人目の2週連続優勝を目指すことになる。双子としてはもちろん、双子以外を含めた姉妹としても、2人そろって2週連続優勝を飾れば、史上初の快挙となる。「来週も優勝を狙って頑張りたい。2人で歴史をつくりたい」。これまで以上に自信に満ちた表情で、堂々と話していた。

 

◆姉妹プロ 姉妹ともにプロテスト合格は、21年6月に合格した岩井姉妹が最新で18組目(うち1組は3姉妹)。一方がプロテスト合格、もう一方が単年登録やティーチングプロなどというケースも含めると23組いる。2人ともレギュラーツアー優勝は福嶋晃子&浩子、堀奈津佳&琴音に続いて3組目。双子姉妹は本山恵子&裕子、久保啓子&宣子、池内絵梨藻&真梨藻に次いで4組目。昨年の岩井千の優勝は双子姉妹プロ初優勝で、そろって優勝は初となった。

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