3時間22分の降雨中断にも動じず、中島啓太(23=フリー)が逆転で新設大会の初代王者に輝いた。
2打差の2位で出て6バーディー、1ボギーの66で回り、通算13アンダー、271をマーク。最後は蝉川泰果の追い上げを1打差で振り切った。アマ時代を含めてツアー3勝目、今季2勝目となった。過去の優勝ではいずれもうれし涙を浮かべたが、この日は雨上がりの空の下で、とびきりの笑みがはじけた。
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男子ゴルフ界の若きスターは、庶民的な素顔を持つ。今大会開幕前日には、宿泊先そばにあった格安理容室イレブンカットで散髪。オーダーは「短くしてください」。実にシンプルだ。同社公式サイトには、カット料金1550円(税別)と明記されている。
大会中は日体大の先輩河本と一緒に焼き肉を食べることが多い。しかし河本が自宅から通った今週は、ファミレスやコンビニを利用。優勝前夜にもコンビニで購入したハンバーグ弁当とパスタを、動画配信サイトNetflixで映画「キングダム」を鑑賞しながらほおばった。
食後には「部屋がすごくハンバーグの匂いになってしまったので…」と、駅のベンチに座って気分転換。夜の空気にあたりながら、最終ラウンドでの作戦を練った。周囲に気づかれることは「まったくなかった」という。
埼玉県加須市出身で、優勝会見後はまっすぐ帰宅。祝賀ディナーのメニューを聞かれ、「僕の家族は本当にドライなので、いつも通りだと思う」と目を細めた。
日体大の1年先輩の石川航は「試合中の啓太はすごく真面目で優等生っぽく見えるかもしれないけれど、普段はめっちゃ面白いやつ。遊ぶときは遊ぶ。人生楽しそう」と評する。このオンとオフの切り替えがメリハリとなり、長丁場でも揺るがなかったメンタルの土台になっているのかもしれない。【奥岡幹浩】

