首位と2打差の通算14アンダー3位から出た大槻智春(33=真清創設)が6バーディー、ノーボギーの66で回り、通算20アンダーの268。首位から出た長野泰雅、宋永漢らを捕らえ、逆転で今季初勝利、昨年のANAオープン以来となるツアー通算3勝目を飾った。

「セカンド地点とグリーン上で体感が違う」という強風に素早く順応。2番、3番を連続バーディーとし、首位に並んだ。「本当に今季は調子がよくなかった。結果につながっていないことがほとんど。自分に期待していなかった」。ハーフターンで首位にいることを確認したが、自分に期待感を持ちすぎなかったのもプラスに働いた。

10番、11番を2メートルにつけ連続バーディー。15番パー5では2打目で、バンカーに入ることをいとわずにグリーンを狙った。グリーン奥のバンカーに入ったが、寄せてバーディー。この日のベストに挙げた。最終18番も「入れてやろうという気持ちはないです。2パットで大丈夫そうだなと思いながら打てた」と3メートルを沈めてバーディー締め。終わってみれば、2位に3打差をつける快勝劇だった。

優勝で最終戦となる11月30日開幕の日本シリーズJTカップの出場権も確定。「まずはJTが決まって良かった」と胸をなで下ろした。海外にも挑戦したいと言い、「やっぱりメジャーは取りたい。メジャー取れて海外行けると自信にもなるし安心もある」と3週後に行われる日本オープン選手権に狙いを定めた。

優勝の副賞では4K液晶テレビやドラム式コードレススティック掃除機、加湿空気清浄器などパナソニック製電気製品一式もゲット。「うれしいですね。ちょうど掃除機買おうと思ってたので。ほぼ一年中、家にいないんですけど、空気清浄器もエアコンの除湿もつけっぱなしなんですよ。カビを生やしたくないので」。エアコン2台と空気清浄器3台稼働させっぱなしだといい、電気代もバカにはならないが「そのためにも稼がないと」と笑った。

賞金ランキング争いでは中島啓太、金谷拓実、〓(虫ヘンに単の旧字体)川泰果ら若手が上位を占める。「焦りはないです。ただ、純粋にすごいなあとは思います」と実力を認める一方で、「だからといって、毎試合あの子らが勝てるわけじゃない。先週の谷原(秀人)さんもそうだし、ベテランも負けてないと思います」ときっぱり。大槻が男子ツアーを盛り上げる。【阪口孝志】