日本でプロデビューし、下部ツアーから地道に実力をつけてきた李ハナ(22=韓国)が、逆転で初優勝を飾った。

首位と5打差の8位から出て5バーディー、ボギーなしの67。5つ伸ばして通算9アンダー、207とし、山下美夢有、仁井優花と並んだが、プレーオフ1ホール目で決着をつけた。今月、日本で引退したイ・ボミ(韓国)を連想させる笑顔と強さが持ち味。来季年間女王争いに早くも名乗りを上げ「ポスト イ・ボミ」の期待が高まる。

   ◇   ◇   ◇

待望の初優勝に李の笑顔が弾けた。3人による18番パー5でのプレーオフ1ホール目。仁井、山下はパー以上が確定している中、7メートルに2オンしていた。イーグルパットこそ決められなかったが、50センチのバーディーパットを難なく決め、ガッツポーズで喜びを体中で表現した。記者会見は通訳を付けず、日本語で対応。「うれしい。日本の皆さんは本当にやさしくて、ゴルフに集中してできた優勝」と感謝。将来の夢は「すっごい選手になりたい!」と、会見場の全員を笑顔にした。

前半終了時点で5位だった。後半は5連続でパーを並べて耐えると、15番パー3で15メートルの長いパットを決めた。18番もバンカーからの第3打が、ピンまで1メートル弱のスーパーショット。随所で観衆を魅了し、声援に笑顔を振りまく姿は、自身が「韓国にいる時から大好きで、ボミさんみたいな選手に」と、憧れ続けたイ・ボミのようだった。

先に来日していた両親を追って、高校卒業後に来日した。男子の尾崎将司の通称ジャンボ邸で練習したこともある。「初優勝をクリアできて次はメルセデスランキング1位」と、来季の年間女王を目標に掲げた。「そして米ツアーにも行きたい」。無限の可能性への扉が開いた。【高田文太】

【写真特集】グリーンで謝るポーズの原英莉花、おそろいのウエアで回る岩井姉妹ら/女子プロ最終日1

【写真特集】初V飾り優勝杯手に笑顔のリ・ハナ、パットを外しうつむく山下美夢有/女子プロ最終日2