女子ゴルフで史上初めてジュニアメジャー4冠を達成した「天才ゴルフ少女」と呼ばれる須藤弥勒(みろく、12=ゴルフ5)が、地元・群馬県太田市を拠点とする自動車販売などの太陽自動車と所属契約を結んだことが8日までに分かった。年間1000万円、10年で総額1億円。ゴルフ5と異例のダブル所属契約となる。

なぜ、12歳のアマチュアゴルファーと高額かつ長期契約を結んだのか。取材に応じた太陽自動車の松岡繁男会長は、弥勒の起用について「地元のアイドルですから、話題性は十分。太田市でゴルファーをあまり知らない女子高生でも弥勒さんを知っている」と、まず抜群の知名度を強調した。

松岡会長によると、当初企業PRとなるCMモデルに、人気お笑いタレントの起用なども検討していたという。スポンサーの1社である地元企業から弥勒との所属契約を勧められた際、同社は慎重にリサーチした。ゴルフだけでなく、学業優秀。さらに、そろばんやピアノにも秀でていることなど多才ぶりを知った。また、会長は弥勒とラウンドする機会があり、ゴルファーとしての資質や人柄にも直接触れた。「掘り当てたと思いました。12歳とは思えないほど度胸がある。ご両親の教育からか、しっかりあいさつもできる。さらに、愛らしいところもある。プロになるのであれば、誰からも愛されることも大事なこと」。

総額1億円、10年という異例の長期契約を締結した。松岡会長はその理由について「将来性を信じての投資です。伸びしろがあり、世界を目指す弥勒さんとともに、弊社も世界的な会社になるよう成長していきたい。また、地元・太田市から世界で活躍する選手が生まれてほしい。可能な限り、サポートをさせていただければ」と説明した。

22年からアマ資格規則が改訂され、アマチュアも制限はあるが、パッティング大会などで賞金を得ることが可能になり、スポンサー収入を得ることも可能になった。弥勒は12歳にして、スポンサー契約料は計12社で計3億6000万円に上る。今回の太陽自動車との10年間の長期に及ぶ所属契約について「すごい大型契約でびっくりしていますし、ありがたく思っています」と大喜びしている。お小遣いは月額1000円だけに、総額1億円の契約については「1億円というのは、1000円札が何枚あるのかよく分からない」とピンとこない様子だった(金額はいずれも推定)。