降雨の影響による6時間以上の開始時刻繰り下げ、10度にわたる時間変更をものともせず、重永亜斗夢(35=ホームテック)が大きくスコアを伸ばした。9バーディー、ボギーなしの62で回り、通算9アンダーの133で予選ラウンドを終了。前日77位から、首位と2打差の暫定4位へとジャンプアップした。

6つ伸ばして通算11アンダーとしたB・ジョーンズが暫定で単独首位に立ち、8つ伸ばした清水大成とこの日はプレーできなかったアマチュアの中野麟太朗が10アンダーで2位。日没サスペンデッドとなり91人以上が第2ラウンド(R)の競技終了を持ち越した。第3日は第2Rの残りと第3Rが行われる。

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雨上がりの澄み切った空の下で、重永がバーディーラッシュをみせた。1番パー4で約6メートルのパットを決めたのを皮切りに、4連続バーディー。さらにスコアを伸ばし、ツアー9ホールの最少ストローク記録タイとなる28で折り返すと、後半も安定したプレーで「久しぶりにパットが良かった。転がりとラインの読みが合った」とうなずいた。初日77位から暫定4位へと浮上した。

前夜は、腹痛を感じて布団からはい出し「約1時間トイレで格闘した」と明かす。早朝に目覚めたあとは、「(開始時刻が)延びることに賭けた」。横になって待機し、体力を温存したことが奏功した。開始時間が6時間以上遅れた中で、スタートから快進撃。腸の病気を患い、複数の故障歴も持つ自身を「体力がない」と自覚した上で、「ホテルを遅く出てゆったり過ごしたことで、今日の長丁場でも好スコアにつなげられた」と分析した。

シード権を持っておらず、今季は主に予選会(QT)8位の資格で出場する。まずは予選ラウンド通過という目標をクリアした開幕戦。18年の今大会以来、6年ぶりのツアー2勝目も視野に入ってきたが「4日間で、今の自分のプレー内容を把握できたら」と謙虚に足元を見つめた。【奥岡幹浩】

○…長い待機時間を切り抜け、清水大成が8つ伸ばして暫定2位に浮上した。この日会場入りしたのは早朝5時20分。プレーを終えたのは夕方6時前で、「いやぁ、長かった」と実感を込めた。スタートまでは「みんなとキャッチボールしたり、トランプしたり」することで気分転換。本当にラウンドが始まるのか半信半疑だったところもあったそうだが「昨日あまり感覚が良くなかったパットの練習も多めにした」。その甲斐もあり「中盤ぐらいからパットが入り出した」とうなずいた。

○…アマチュアながら初日首位発進の中野麟太朗は、この日は1ホールもプレーできなかった。午前11時頃に会場に到着した早大生は「学校の課題を1つやって、それ以外はだらだらしていた。さすがに午後から身体を動かしたくなって、100分の打ち放題に行ってきた」と振り返った。石川遼もこの日は出番なし。「お疲れさまでした」と声をかけられると、「何も疲れていないです」と苦笑い。ホテルでリラックスしたあと、遅めに会場入りし「日没の時間から100%スタートできないとは思っていたけれど、怖いので一応来ました」と話した。

▽前田光史朗(通算9アンダーで暫定4位。引き続き好位置キープ)「バーディーチャンスがなかなか決まらず苦しい展開だったけれど、17番でイーグルを決められた。終わりがすごく良かった」