21歳の竹田麗央(ヤマエグループHD)が首位から6バーディー、2ボギーの67で回って通算12アンダーの201で逃げ切り、2週連続優勝を果たした。ツアー初制覇から2週続けて勝つのは、22年の岩井千怜以来、史上4人目。初日からの首位を守る完全優勝で賞金1440万円を得た。3打差の2位に小林光希、さらに1打差の3位に鈴木愛が続いた。尾関彩美悠と野沢真央が通算7アンダーの4位。前回覇者の神谷そらは14位だった。

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2メートルのバーディーパットを沈めると、いつもはガッツポーズを見せない竹田はキャディーを務めた兄有男さんに笑顔でハイタッチした。前週は3打差3位からの逆転で、今大会は3日連続で67をマークし、初日から首位を譲らない完全優勝。初制覇からの2週連続優勝は4人目で「今までは自分にあまり自信がなかったが、前週の初優勝で自信がついた。他の人に左右されずに集中できた」と、成長を実感した快挙となった。

最終日は決して楽な戦いではなかった。5番で野沢に並ばれる。単独首位で折り返すも11番でまた並ばれたが冷静だった。12、13番で連続バーディーを奪うと、16番では3メートルをねじ込み、後続に3打差をつけて優勝を決定づけた。圧巻は難度1位の最終18番パー4。残り140ヤードの2打目を9番アイアンでピンそば2メートルにピタリとつけ、バーディーで締めくくった。

ツアー通算20勝の鈴木愛には3月の2試合で、この日と同じ最終日最終組で回り、ともに優勝を許していた。前日には「若い子の2週連続は阻止したい」と逆転を狙った実力者の前でも自分のプレーに徹した。飛ばし屋のプレースタイルは揺るがず、一緒に回った野沢は、飛距離と高弾道の球筋に「怖いものがないのではないか」と脱帽した。

叔母で元賞金女王の平瀬真由美からは「これからも謙虚な気持ちで努力してほしい」とエールを送られた。年間女王争いのメルセデスランキングも鈴木愛、小祝さくらを抜いて首位に浮上。「頑張れば、年間女王のチャンスもあると思う」とさらなる活躍を期した。