首位から出た桑木志帆(21=大和ハウス工業)が通算12アンダーの276で、6月の資生堂レディースに続くツアー2勝目を挙げた。4バーディー、2ボギーの70と2つスコアを伸ばし、2位の鶴岡果恋、ペ・ソンウを1打差で振り切った。出場を見送った全英女子オープンの裏で開催された大会を制し、メルセデスランキングは5位に浮上した。

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首位から3打差以内に9人がひしめいた大混戦を、桑木が制した。トップで迎えた13番パー4。この日初めてのボギーをたたいた一方で、同組の2位鶴岡はパーをセーブ。しかし、1打差に迫られても、あわてなかった。「揺るがず、とらわれない」「今に集中」。この2つの言葉を頭で繰り返し、平常心を保ち続けた。

その後の16番をボギーとして1度は並ばれたが、続く17番パー4でしっかりバウンスバックした。9番アイアンで放った残り130ヤードの第2打は、ピン横2メートルにピタリ。バーディーにつなげたこのショットが、最終的に優勝の行方を決めた。6月の初優勝以降、スタイルも気にして「次に優勝するまで」と断ってきた大好きなビール。「今日は飲めますね」と、顔をほころばせた。

精神面の成長が、プロ初Vからわずか2カ月足らずでつかんだ2勝目の土台にある。21年6月のプロテストに一発合格も、昨季までは未勝利。今年から3カ月に1回、メンタルコーチの指導を受け精神面の安定を図ってきた。同組の選手が良いショットを見せれば素直に拍手し、すぐに切り替えて自分のプレーに集中する。「それが大分できるようになって、動揺することがなくなった」という。

今大会の直前に全英女子オープンの出場オファーが届いたが、体調とプレーの調子を鑑みて欠場を決め、国内ツアー出場を選んだ。見事優勝を飾り、メルセデスランキングは自己最高の5位に浮上。秋の国内メジャーシーズンに弾みをつけた。「海外は、(国内)メジャーを勝って、3年シードを取ってからいきます」。全英女子組不在の中での優勝も手応えは十分。「今に集中」する21歳が、勢いに乗っている。【中島洋尚】

○…4位で出た北海道出身の政田夢乃(24=なないろ生命)と宮沢美咲(21=HESTA大倉)の地元での初優勝はならなかった。ともにスコアを2つ伸ばしたが、首位と2打差の4位。政田は「トップ10に入れるようになってきたので、優勝目指して頑張ります」。宮沢も「上位争いができて自信になったかもしれないので、頑張りたい」と、地元での戦いを糧に、さらなる飛躍を誓った。

▽横山珠々奈(上位争いを演じ、8位でベストアマチュア)「上位で戦えたことは自分の中でも自信になる。この自信を持って(4回目の)プロテストもプレーできたら」

優勝し副賞の米俵の前で笑顔の桑木志帆、ティーショット放つ政田夢乃/女子ゴルフ最終日写真特集