どん底から、はい上がる-。コロナ禍で統合された20-21年シーズン賞金女王で、21年東京五輪銀メダルの稲見萌寧(26=フリー)が、初の単独最下位に沈んだ。バーディーなし、5ボギー、2ダブルボギーの9オーバー、81で105位。7アンダーの桜井心那(21=ニトリ)ら首位の3人とは、16打差をつけられた。カットラインにも9打及ばず、予選通過も絶望的。迷い、悩みを打ち明け、弱気な言葉も出た。それでも復活を信じ、あきらめない。“現在地”を打ち明けた。
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苦しい時間だけだった。バーディーはゼロ。五輪銀メダルも獲得した21年に8勝を挙げ、20年の1勝と合わせて「女王」に君臨した稲見が今季、もがき続けている。この日の「81」は、プロとしてはワースト2位タイ。ともに第1ラウンドで記録した、今季開幕戦の「82」に次ぎ、昨年全米女子プロ選手権に並ぶスコアに終わった。そして、屈辱的なプロ初の単独最下位。揺れる胸中を打ち明けた。
稲見 ショットが、ずっと探り探り。ドライバーは最近、ずっと曲がっていなかったけど、アイアンが全然グリーンに乗らない。それが今日の最初の方は、ドライバーも曲がって…。かみ合わないというか、全然うまくいかない。直すところが多くて、もうパンク中(苦笑)。何を直したらいいか、分からない感じ。
この日は不運もあった。11番パー4でバンカーに打ち込むと、ボールが見えなくなっていた。アンプレヤブルを宣言し、連続ダブルボギー。緊張の糸が切れそうになっても、残る7ホールをボギー1つに抑えた。
稲見 悪い感覚がなかなか抜けない。“いい時”を求めるべきなのか、もう1回つくって良くしないといけないのか。それも悩み。
ツアー随一のパーオン率を誇り、五輪銀メダルで世界屈指のショットメーカーであることも証明した。
稲見 ショットメーカーで、アイアンが得意で生きてきたのに、そのアイアンが崩れた…。(解決策が)自分では分からないから、こうなっているんですよ。
努力したくても、どう努力すればいいか見えていない。前に進んだ実感もない。ただ3週間、試合出場せず取り戻したものもある。
稲見 体のために休みました。やせちゃったけど戻りました。3週間で3キロ。おしり、太ももが細くなっていたので。重りは持たず自重だけのトレーニング。
今季は前週まで出場18戦で10度予選落ちし、最高でも30位。結果が出ず、迷走中だ。ただ人一倍、ゴルフと向き合う姿勢は変わらない。最下位の今は名実ともにどん底。ここからの復活劇を、誰よりも稲見自身が信じている。【高田文太】

