<女子ゴルフ:クリスタルガイザーレディス>◇初日◇2日◇千葉・京葉CC(6355ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 シード権を持たない笠りつ子(20=TKUテレビ熊本)がプロ3年目で、初めての首位に立った。ショット、パットとも好調で7バーディー、ボギーなしの65と自己ベストをマークした。上田桃子(21)らと同じ坂田塾育ち、熊本県からまた新勢力が現れた。

 笠のショットがピンにからみ続けた。7回のバーディーパットのうち最長は5メートルで、残りは1~3メートル。「今日は短いクラブで寄ることが多く、パットはショートはしたくなかった。強く強く打つように心掛けた」。プロ初めての首位に「こんなに早く立てるとは思わなかった」とキュートな顔に笑みが広がった。

 今季は開幕から5試合連続予選落ちを喫した。「何もかも悪くてどん底。でもいつかは上がるだろうと、あまり考えすぎないようにした」。その結果が最近2試合は予選通過。オフにマネジメント事務所が同じ男子プロの谷原秀人とグアムで2週間合宿した。その時「全部が駄目。ゴルファーとして考え方も甘いし、まず目が駄目だ」と一喝されたのが、発奮材料だ。

 ジュニア時代の実績からみれば、首位は決してフロックではなさそうだ。実家は熊本県菊陽町で練習場を経営。9歳の時、父清也さんがコーチを務めていた坂田塾に入った。同世代には上田らがいた。中学2年時に九州ジュニア、高校1年時に九州女子アマを最年少(当時)で制した。上田について「あんなに強くなるとは…。一気にすごい人になってしまった。追いつきたい気持ちはある」。

 目標とする同じ熊本出身の不動裕理のように「気持ちを崩さず、淡々とプレーしたい」と話した。【三角和男】