宮里藍(24=サントリー)が最強スイングで「米日3連勝」を狙う。日本女子ツアー開幕戦ダイキンオーキッドは5日、沖縄・琉球GCで始まる。米女子ツアーで44年ぶりの開幕2連勝を飾った宮里は4日、プロアマ戦で最終調整した。コーチの父優氏(63)は軸が安定したスイングを高評価。成長した姿に、日本女子プロゴルフ協会の樋口久子会長(64)も「日々の努力ですよ」と絶賛。万全の状態で史上初の日米開幕戦制覇を目指す。

 ゆっくりしたリズムで振り上げたクラブから、力強い弾道で球が飛び出していく。米ツアー44年ぶりの開幕2連勝を実現した現時点での“世界最強スイング”。その感触を確かめるように、宮里は1球1球丁寧に最終調整をこなした。

 宮里

 今のところオフに積み重ねてきたものが出せている。この2週間は勢いで勝ったんじゃなく、自分の力を出して勝てた感じ。自分の力を出す準備を毎週やることが大事ですから。

 優勝した米ツアー開幕2試合8ラウンドはすべてアンダーパー。その間の平均スコアは68・12。昨季平均の70・33を大きく上回る。オフは100ヤード以内の小技を重点的に練習してきたが、コーチの父優氏とも入念に話し合いスイングも調整してきた。さらに、大リーグ・マリナーズでイチローの体をケアする森本貴義氏の夫人、山本邦子トレーナーに師事し、バランス良く筋肉を強化。鍛錬のすべてが、快挙につながっている。成長を続ける宮里に樋口会長も「日々の努力ですよ」と絶賛の声をあげた。

 世界をまたにかけて奮闘する姿は、経営再建中の日本航空社員にとっても希望の星だ。厳しいリストラを余儀なくされている同社だが、プロ転向した03年直後からスポンサー契約を結ぶ宮里の活躍ぶりに「勇気づけられた」「頑張ろうという気になる」という社員の声が、広報部まで続々と届いているという。宮里は今年も帽子とキャディーバッグに「JAL」のロゴをつけて戦っている。

 初日は小学生時代からのライバルで、日本の昨季賞金女王横峯との直接バトルで幕を開ける。「自分ができることは何かを常に考えている。いい流れは来ているし、油断しないように、やるべきことをやっていきたい」。米日3連勝&開幕戦ダブル制覇の快挙へ、宮里は確かな自信を胸にスタートを切る。【木村有三】