50年以上にわたって現役を続けたプロゴルファーの杉原輝雄(すぎはら・てるお)氏が28日午前8時30分、前立腺がんがリンパに転移し、大阪府の自宅で死去した。74歳だった。

 杉原氏の長男でプロゴルファーの敏一(47)は28日、悲しみをこらえ、厳しかった父との思い出を語った。朝に母玲子さんから連絡が入り、車で10分ほど離れた自宅から駆けつけたが、既に息を引き取った後だった。それでも「楽になった感じに見えて…。安らかな感じで、苦しまずに逝ってくれて良かったと思います」と、気丈に話した。

 父との関係は親子でなく“師弟”だった。プロを目指し始めた中学生時代。「おはよう」とあいさつすると「先輩おはようございます、やろっ!」と怒鳴られた。90年にプロテストに合格した直後の初試合では「クラブハウスにおるプロ全員に、あいさつしてこい!」と無理な指令を受けたこともあった。

 そんな厳しい師弟関係から“親子”へ戻るような感覚を味わったのは最近だった。「闘病中、ベッドで寝てるときのおやじは『ちょっと、おなかをさすってくれ』とか言っていた。ようやく“お父さん”みたいな感じになった気がした」としみじみ話した。